新型コロナウイルスの猛威により中国最大の経済都市、上海で始まった“ロックダウン”(都市封鎖)。3週間が経った今でも連日2万人以上の新規感染者を確認していて、市民の我慢は限界に達し、抗議する様子も見受けられた。
「もうお願いよ…一体何をしたいの?あなたたちは!」
「こんなに大勢で押しかけて、警察は何をするのか!」
「人民のためじゃなかったのか!」
厳しい外出制限や隔離を伴うゼロコロナ政策の弊害なのか、多くの市民がある危機に直面している。
「場所によっては配給があまり来なかったり、配給が来ても部分的だったり、ネットスーパーでも(食料品が)なかなか手に入らないという状況が続いていて、生鮮食品・野菜とかお肉の備蓄がどんどん無くなってしまっているというような状況」
そう話すのは、上海でPR会社を経営している板屋美幸さん。突然始まった上海でのロックダウンにより、板屋さんの会社で働く30人のスタッフの食料、中でも生鮮食料品が不足しているという。
「(PCR検査で)マンションの下の敷地内に降りてきた時に、芝生に生えてるタケノコを採って、それを調理して食べてるっていうのを会社のグループチャットの中で流していて、相当厳しい状況なんだろうなと」
野菜が不足し、ついには、地面に生えたタケノコを採り食さなければならない状況を目の当たりにした板屋さん。なんとか食料品が手に入らないかと必死に業者を探し続け、ようやく野菜や卵、お肉が入った食料セットを売ってくれる業者を探し出した。その後、各スタッフの自宅に配送したという。
「みんな冷蔵庫にあまり食べ物が残っていない状態で食料の調達に困っていた状況だったので、届いた時には本当に喜んでもらえました」
現地のスタッフからは「社長ありがとう」「なんて豊富なの!」と喜びの声が相次いだという。しかし、依然として終わりの見えない大都市でのロックダウンに「再び食料が不足するのでは?」と不安を抱えていると板屋さんは話す。
「出口が見えないというか、いつまで続くのか。このままいくとGWまでこういった状況が続いていくんじゃないかと予想されているので、もう一回くらい食料の方調達しなければならないかなと」
また、板屋さんの不安はスタッフの食料不足だけではなかった。
「健康面もそうなんですけど、メンタルの部分ですかね。終わりが見えなくて、家にずっと閉じ込められている状況が長くなると、精神的にすごく苦しくなってくるというか、日にちの感覚がわからなくなったりとか無気力になってしまったりとか、そういったところが長期化することを今は心配してます」
(『ABEMAヒルズ』より)
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