4月22日は地球環境について考える「アースデー」。そんなゴミの削減に向け新たなテイクアウトの形を模索するベンチャー企業を取材した。
今では当たり前となった、大きなバッグを背負った配達員が街中を走り回る光景。コロナ禍でテイクアウトの需要が急増する中、日々使い捨てられる容器に、神奈川県鎌倉市の株式会社カマンの善積真吾代表は注目した。
「テイクアウトするときに、通常は使い捨て容器で提供されますよね。それをリユース容器を使って、テイクアウトするごはんを入れて持ち帰っていただきます」
カマンが実証実験を始めたのが、店舗間でリユース容器を共有するサービス「Megloo(メグルー)」。利用者は、LINEで容器を借りる登録をして、その容器で料理を持ち帰り、食後の返却はサービスに参加するどの店舗でも可能に。また、専用に設置された返却ボックスへ好きなタイミングで返すこともできる。
従来の出前のように、店舗ごとに容器を回収する手間が不要で、街ぐるみで効率的に容器を利用できるという利点がある。メグルーが狙うのは、多くの店舗が参加することによって、地域全体でゴミ削減を目指す“サステナブルな街づくり”だ。
去年10月から鎌倉市内で実証実験を開始し、今では常設店舗とイベント利用で合わせて16店舗が参加。使い捨て容器よりも保温性が高く、しっかりとした器で美味しく感じられるなどの利用者の声があがっているという。
「使い捨て容器代というのが結構高い。ちゃんとした紙素材の容器を使っていると、1000円のテイクアウトに対して、50円から100円ぐらいかかっている。その料金分をリユース容器代に充てていただこうとしている」
環境によくないと分かっていても、利用せざるを得ないことが多い使い捨て容器。そんな利用者の罪悪感を払拭するべく、メグルーは更に使い勝手の良い容器の開発に向け、クラウドファンディングを実施している。善積さんは、収益化を目指しつつも、今のところは無料で広げていきリユース容器の文化を根付かせていきたいと話す。
「イベントや球場などで1日1トンとか。何万人もの人が来てテイクアウトして、それがゴミになってしまう。そういうところを解決していくということと、大都市とかでたくさんテイクアウトされてるところも、メグルーのような取り組みを導入していき、ごみを削減していく。今はコンセプトに近い状況だが、実際に数値的なインパクトを与えられるようなものをやっていきたいと思っている」
実際のところ容器や包装ゴミの割合はどれくらいなのだろうか。2021年度の容器包装廃棄物の使用・排出実態調査の概要によると、湿重量比率(全体のゴミ量に占める割合)は28.5%に対して、容積比率(全体のゴミの容積に占める割合)は66%で、そのうちプラスチック類は50.4%だった。
こうした取り組みが普及することでゴミの削減につながる一方で、リユース容器の衛生面や返却の手間といった課題も――。ニュース番組『ABEMAヒルズ』MCの柴田阿弥アナウンサーは「家から出たくないから配達をしてもらっているので、そこがネックになるかと思う」と懸念を述べた。
また、コメンテーターとして出演したアパレルブランド「CLOUDY」CEOの銅冶勇人氏は「西アフリカのガーナでは、そこら中にビニールやペットボトルが落ちていて、住民はそれに水を入れて飲んでいる」と話す。
アフリカ支援の活動を行なっている銅冶氏。今後の取り組みとして「現地のペットボトルやビニールを買い取りインセンティブを与えて、回収したらそれらを使ってバッグを作る事業を考えている」と環境を考えた貧困問題の解決にも意欲を示していた。(『ABEMAヒルズ』より)
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