22日に後楽園ホールで開催された『PXB PHOENIX BATTLE 87』の第6試合。スーパーバンタム級の10回戦に元K-1スーパーバンタム級王者で、プロボクシング転向後3戦連続1ラウンドKO中と勢いに乗る武居由樹(大橋)が登場。日本同級16位で“見えない左を持つ男”の異名を持つ河村真吾(堺春木)と対戦し、自身初となる日本ランカー戦で2R、見事な右を振り抜き衝撃KOを収め、場内からはどよめきがあがった。
1ラウンド序盤から武居は序盤からプレッシャーをかけ、顔面、ボディと打ち分けていく。一方、河村は武居のパンチに冷静に対処しながら様子をうかがってこのラウンドを終える。
2ラウンド早々に劇的な結末は待っていた。離れた距離から一気に飛び込んだ武居が右を一振りすると、これをまともに被弾した河村がダウン。次の瞬間、セコンドからタオルが投げ込まれた。
ABEMAで解説を務めた元WBA世界ライトフライ級王者の渡嘉敷勝男氏は「素晴らしいですよね。ピンポイントですよね」と驚いたように話した。
河村は試合前「僕がテストマッチなんでしょうけど。ありがとうの気持ちと、馬鹿野郎という思いでいる。ボクシングとキックは全然違うと思っている。それを証明できるか」と述べ、ボクシングの先輩として“負けられない”という気持ちを露わにしていた。
一方の武居は、これまで全て1ラウンド決着。さらにほぼ右フックでのKO勝利ということもあり「この3戦の武居とは全く違うということを見せないといけない。今までにない引き出しもあるということを見せたい。右フックではない新しい必殺技をつくっている。バチっと倒す」と意気込みを語りつつも「キャリアでは全然河村選手の方が上。タイトルマッチも経験されているので自分より格上の選手」とも述べ、相手に対する敬意と警戒を口にしていた。
奇しくも5年前の同じ日(4月22日)にK-1チャンピオンに輝いた武居が、プロボクサーとしてまた新たな、確かな一歩を踏み出した。