給与の支払い遅れを訴えるのは、脱毛サロン大手「キレイモ」の従業員、ゆうかさん(仮名)だ。ゆうかさんによると、先月は支給日から3日遅れで振り込まれ、今月分は2日過ぎた27日の時点でまだ入金されていないという。
【独自映像】「もう4月なのに」顧客と担当者のやり取り(実際の電話音声)※4:01ごろ〜
同社の社長は先月、支給日の前日になって、全従業員に対してメールで次のような説明を行っていた。
「皆様に謝罪しなくてはいけないことがございます」
「新型コロナの影響により、経営状況、資金繰り状態が悪化しております。新規顧客の獲得などからの、資金調達に全力で取り組んでおります」
説明の中で「給与はすぐに支払う」「今後、遅延はないと約束する」と釈明していた社長。ところが、今月も同じことが繰り返されている。
会社への不信感から、仕事を休むことにしたゆうかさん。上司からは……
「もしかしたら無断欠勤って形になるかもしれませんっていう風に言われて」
「中には無断欠勤をして、クビになった人とかもいるんですよ」
給与が支払われない上に、休むと無断欠勤になる会社の方針に「不安なのもそうだし、2カ月連続でこんなことがあるので『本当に支払ってもらえるのか』という怒りっていうか」と話すゆうかさん。「裏切られたっていうのもありますよね」と憤りをにじませる。
支払いが滞っているのは、従業員の給与だけではない。
「対応の悪さですよね。返金が遅れたことは100歩譲って仕方ないとしても、あちらから何も言ってこないのは本当あり得ないと思います」
怒りを露にするのは、都内に住む34歳のさとみさん(仮名)だ。さとみさんは「キレイモ」の全身脱毛を回数無制限で受けられるプランを契約。およそ30万円を一括で支払った。
しかし、予約が取りにくくなったことなどから、去年11月に解約。施術が18回に満たない場合、料金の一部が返金されるはずだが……
「去年の11月の頭に解約して10万円くらい返ってきてないです」
解約した際には「2カ月ほどで(返金する)と聞いてました。ただ、12月1日とかじゃなくて、12月頭といわれていたので『遅くても12月中旬とかには振り込まれるのかな?』って思っていたんですけど、いまだに入金がないです」
さとみさんによると「キレイモ」が送ってきたメールには「必ず返金する」と書いてあったという。ところが返金がないため、何度もコールセンターに電話をし、説明を求めた。
【電話のやり取り】
さとみさん「私11月に解約して、最初12月末とか言ってて、もう4月なんですけど。確実に返ってくるんですよね、これは?」
担当者「わたくしの口からは、会社としてそのように動いてるとしか、お伝えできませんので」
さとみさん「これ、返ってこないことってあるんですか?」
担当者「それに関しては、何とも言いかねるというところですね」
「必ず返す」としていたはずが、コールセンターの担当者は奥歯に物が挟まったような物言いだ。さらに、さとみさんが「返ってくることは返ってくるんですか? 期限は言えなくても」と追及すると、担当者は「本来はお客様への返金を最優先にしなければいけないというところは、会社として十分承知はしているんですけれども」「今資金調達も含めて、考えているというところでございます」と答えた。
同じコールセンターで、客の対応に当たっている従業員が社長に宛てたメールには、対応に苦慮する悲痛な叫びがあった。
従業員「お客様から返金を求める連絡がたくさんきています」「私たちも給料未払いなんですという風にお伝えしたほうがよろしいでしょうか?」「私たちの給料もお客様の返金同様、適当な理由をつけて、何か月も先になるのでしょうか?」
このメールに社長からの返信はなかった。
キレイモの問題で相談を受け付けている団体によると、今年1月から26日までに、全国から約350件の相談が寄せられているという。全国に被害が広がる中、不安を募らせたさとみさんは、27日、キレイモを運営する東京・渋谷区の本社に直接抗議に行った。
すると、担当者からは次のような返事を受け取ったという。
「コロナで売り上げが落ちていて、返金できていない。返金は必ずするが、いつになるか分からない。倒産はしない。顧問弁護士と返金の準備を進めていて、来月中には何かしらお知らせをする」
さらに、さとみさんが驚いたのは、担当者の態度だった。
「『勇気ある行動をありがとうございます』みたいに言われました。本社の方ってちゃんとお客さんと直接やり取りしないから、なんかちょっと他人事感みたいなところがあって、イラっとしました」
給与や返金の未払いについて、キレイモの運営会社に質問状を送ったところ「現時点では回答を差し控えさせていただきます」といった返事だった。(『ABEMAヒルズ』より)
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