鉄道が開業して150年。秋には西九州新幹線が開業するなど、明るい話題も報じられる鉄道業界だが、今月も“撮り鉄”がホームから線路に転落する事故や、人気の鉄道部品が盗まれる事件が発生するなど、いわゆる“鉄オタ”、鉄道ファンによる迷惑行為も後をたたない。
【映像】"迷惑撮り鉄" 解決法は?&ローカル廃線問題...ファンと議論!
「“あれは一部だ”と、“自分は別だ”と言う人もいるが“本当にそうだろうか?”と言いたい。やはり自分のこととして考えなきゃいけない」。そう警鐘を鳴らすのは、自身も撮影や切符のコレクションなどを楽しむ小島好己弁護士だ。「線路に立ち入った場合は鉄道営業法違反、それによって列車を止めてしまった場合は威力業務防止罪だ」。
撮り鉄、乗り鉄・模型集めなどを楽しむジャトゥー・ほしさんますたぁ氏は「“女子鉄”や、お子さん連れの“ママ鉄”など、女性や家族で鉄道を楽しむ人が増えるなど、人々の関心が高まっていること、そして綺麗な写真が簡単に撮れ、すぐにSNSにアップすることができるようになったことも、問題が明るみに出るようになった背景にあるのではないか」と推測する。
「実際、三脚を立ててはいけない所で立てている人や、白線からはみ出ている人を見かけることはあるし、京都駅のホームで6時間前から待っていた時、列車が来る30分くらいに前に現れたおじさんが前に立ちふさがってムッとしたことはあった。自分も迷惑行為をしようという気持ちがなくても、大人数になってしまった結果、一般客に邪魔だと思われているだろうなということはある」。
元東京メトロ社員の鉄道ジャーナリストの枝久保達也氏は「50年前の開業100周年の頃にもファンが過熱して事故が起き、せっかくのSLの復活が下火になってしまったということがあった。どの時代にも迷惑行為をする方は一定数いるし、それがSNSなどで可視化されやすくなったのかなと思う。あくまでも公共交通機関、移動手段としての本来の役割を阻害することになっては本末転倒なので、“楽しませてもらっている”という意識は持たないといけない」と指摘。
「私の場合はお客様から声を聞く仕事もしていたので、鉄道会社にとって、情熱を注いでくださる鉄道ファンはありがたい存在だ。どういう形であれ、お客様の一人でもあるので、なかなか距離の取り方は難しいと思う。ただ、年齢や性別、興味の対象も幅広くなっているので、新しい魅力や楽しみ方を、自分たちのマネタイズとセットで模索している段階なのだと思う」と話した。
フリーアナウンサーの柴田阿弥は「私もファンとしてアニメのイベントに行くことがあるし、元アイドルとしては推される方の気持ちもわかる。やっぱり熱烈すぎるがゆえに周りが見えなくなってしまうのだろうが、アイドルの場合、家の前で待ち伏せされたことが怖くて仕事をやめちゃったという人もいるし、モラルに訴えても仕方ないので警察に相談することもできる。ただ、鉄道会社の場合、なかなか難しいのではないか。そう考えると、擬人化されて、“やっぱ推しに迷惑かけちゃいけない”と思うようになるとか…」とコメントしていた。(『ABEMA Prime』より)
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