ダウン後のサッカーボールキックに場内騒然 敗者の振る舞いに称賛、勝者には励ましの声も
【映像】ダウン後のサッカーボールキックで場内騒然
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 右ストレートでダウンを奪った直後、一連の流れの中で振り抜いた足がサッカーボールキックぎみにダウンを喫した選手の後頭部を直撃するアクシデントが発生して館内が騒然。試合途中での"負傷判定”という異例の決着となった一方、アクシデントに見舞われた敗者、そして勝者の振る舞いに対してファンから称賛や励ましなど温かい声が多く寄せられた。

【映像】ダウン後のサッカーボールキックで場内騒然

 4月30日に後楽園ホールで開催された「Krush.136」で行われた岡嶋形徒(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と國枝悠太(Never mind)の一戦は、3ラウンド2つのダウンを奪った岡嶋が、ダウン直後の國枝の後頭部を反射的に蹴るアクシデントでドクターストップとなり終了。2ダウンを奪った岡嶋が負傷判定勝ちを収めた。

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 岡嶋は怒涛の5連勝で将来を嘱望されるも、王者・新美貴士に16秒KO負けを喫するなど連敗中。怪我による戦線離脱からの復帰戦となる。一方、Krush参戦から3連続KOと好調な国枝。両者の対戦は、新美とのタイトルショットに向け重要な試合となった。

 1ラウンド、序盤は一進一退の攻防が続くも後半になると岡嶋がジャブ、右カーフキックやミドルなど多彩なアグレッシブさを見せる。2ラウンドに入ると國枝もカーフキックで対抗。岡嶋とのカーフキック合戦で削り合うと、後半には一転して近い距離でのパンチの打ち合いを披露する。

 試合が大きく動いたのは3ラウンド。岡嶋のローを嫌う國枝が一気に前に出たところに岡嶋が右ストレートのカウンターを当ててダウンを奪う。一気に畳み掛けたい岡嶋に対し、恐れずに前に出る國枝。首相撲となるやや荒っぽい展開を冷静にさばいた岡嶋はさらに右を当ててダウンを奪うが、直後、不運にも一連の流れの中で振り抜いた蹴りが崩れ落ちた國枝の後頭部を直撃してしまう。

 ダメージで足元がフラフラになりながらも立ち上がる國枝だが、後頭部への蹴りを重く見たレフェリーがドクターを呼び込みチェック。リプレイ映像が流れると場内は騒然となったが、反射的に足を振った岡嶋が「しまった…」という表情を浮かべて謝る様子も確認された。

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 しかし、座りこんだままの國枝はダメージが大きく試合続行不可能となり、ここで試合は終了。試合を中継したABEMAの視聴者からは「意図したものには見えない」「コンビネーションの蹴りが倒れた時に当たってしまったか」「この場合は反則にはならないのか?」など、さまざまな声が寄せられた。

 その後、異例の展開を受けてレフェリーが自らマイクを取ると「國枝選手が2度目のダウンを喫した後、岡嶋選手、流れで出してしまった蹴りがそのまま國枝選手の後頭部に当たってしまいました。ダウンはダウンとして取りますが、そのあとの後頭部への蹴りにより國枝選手、ドクターからストップがかかりました」などと説明。アクシデントによるテクニカル判定の末に、2ダウンを奪った岡嶋が3-0で勝利となった。

 怪我からの復帰勝利となった岡嶋だが、思いがけない結末に終始、神妙な表情。腰を下ろす國枝に歩み寄ってヒザをついて謝ると、國枝は笑顔で「気にするな」といった様子で謝罪に応じた。一時、場内が騒然となった試合だったが、そんな二人のファイターの振る舞いに対して「負けるより悔しいかもしれない」「(勝利で)こんな切ない顔は初めてみた」など岡嶋への同情の声、さらに戦闘不能になりながらも笑顔で応えていた國枝の態度に「笑って許している、良いやつだ」といった称賛の声が寄せられた。

 その後も勝ち名乗りを受けた岡嶋の表情は暗く俯いたまま。その様子には「悪くねーぞ 次がんばれ」といった励ましの声が。解説を務めた石川直生も「互いに試合をしたいとリスペクトを持っていた同士だったので、この結末は残念」とアクシデントによる決着への複雑な心境を明かした。 

【映像】ダウン後のサッカーボールキックで場内騒然
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