将棋の王座戦挑戦者決定トーナメント1回戦が5月6日に行われ、大橋貴洸六段(29)が藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、19)に129手で勝利した。大橋六段は次局で佐藤康光九段(52)―千田翔太七段(28)戦の勝者と対戦する。敗れた藤井竜王は2022年度初黒星を喫し、同年度内のタイトルは最多でも六冠となる。
【動画】第70期 王座戦 挑戦者決定トーナメント 藤井聡太竜王 対 大橋貴洸六段
本局は矢倉模様の出だしから、難解な中盤の一手に藤井竜王が1時間9分41秒を投入。夕食休憩明けには藤井竜王が早々に1分将棋に突入した。形勢が一手ごとに入れ替わる複雑な終盤戦が繰り広げられ、白星は大橋六段の手に。今年度初黒星を喫した藤井竜王は、終局後に「玉が薄い形で戦いが起こってしまって自信のない局面が多かった。苦しいと思っていたのでどうすれば粘れるのかなと考えていた。(挑戦者決定トーナメントの)初戦敗退となり残念。他の対局もあるので、内容を修正してやっていけたらと思っています」と話し、全八冠制覇は最速で2023年秋以降に持ち越されることになった。
大橋六段は「藤井キラー」の異名を高らかに響かせた。2016年10月にそろってプロデビューを果たした両者の対戦成績は、藤井竜王の2勝に対して大橋六段がダブルスコアの4連勝。五冠王を破ってベスト8進出を決めた一局を「難しい将棋でよく分からなかった。終盤も粘りを許してしまった」と振り返り、「次もしっかり指せたらと思う」と次戦を見据えた。
なお、同じ日に行われた王座戦挑戦者決定トーナメント1回戦、石井健太郎六段(30)―高野智史六段(28)戦は、石井六段が勝利してベスト8に駒を進めた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)