戦いは、盤に向かう前からもう始まっていた。将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の予選Bリーグ第1試合、チーム糸谷とチーム斎藤の対戦が5月7日に放送されたが、このオープニングシーンで両チームの間で早くも“爆笑トークバトル”が勃発。どちらも体を張ったパフォーマンスをしてきただけに、ファンも注目していたが「何処に向かってるんだw」「肉大事ww」「ミートテックw」と期待に応えていた。
両チームとも、この試合が今年の大会の初戦。さぞ意気込みをたくさん語りたいだろうと思われたが、始まったのはネタの応酬だった。“先手”は糸谷哲郎八段(33)。進行役の室谷由紀女流三段(29)から大会前に収録したチーム動画について話を振られると「我々は滝行をしてきました。水温3度。ちょっとダメだと思いましたね」と、前回のバンジージャンプを超える過激さに、思わず本音がポロリとこぼれた。ただ、すかさず「肉がある分、体温を奪われにくかったです。これで負けて帰ったら、何のために滝に打たれたかわからなくなる」と自らフォロー。しかし、それもまた弟弟子の西田拓也五段(30)から「やさしい兄弟子ですが、今回滝行という厳しいことをやらされた」と、身内から斬られることになった。
“後手”のチーム斎藤は、前回大会でファンの目を楽しませた天使コスプレに話が及んだ。チームの中で木村一基九段(48)と佐々木勇気七段(27)は昨年、「エンジェル」として準優勝。ここにリーダー斎藤慎太郎八段(29)が加わったような構成となり、チーム名からして「シンエンジェル」になっている。これもまた室谷女流三段から天使コスプレについて話を振られると、斎藤八段は「どうなんでしょう。控室の雰囲気を見てですね。やりたいかと言われたら、ははは…」と乾いた笑い声を響かせたが、続いて木村九段は「つけたいと思っている人は1人しかいないと私は思っています」と、隣にいる佐々木七段を横目でチラリ。またチーム動画では、ピンを投げて倒すスポーツ「モルック」をしたことに、斎藤八段が「佐々木さんは才能を見せていました。日本代表は確実です」と、ひとネタ放り込んで笑いを膨らませていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)