大谷翔平に起きていた「フライボール革命」完璧な2打席連続弾の前兆だった“9連続飛球”
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【MLB】エンゼルス11-3レイズ(5月9日・日本時間10日/アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手が「3番・DH」に先発出場し、6回に10試合ぶりとなる今季5号ソロを左中間に、7回には自身初の満塁弾となる6号をレフト越えに叩き込んだ。久々の一発から、いきなりエンジン全開とも言える2打席連続弾。地元アナハイムのファンが総立ちで大歓声を送るのはもちろん、中継を見ていた日本のファンからも「最高!」「神だ」と絶賛の声が大量に寄せられた。ただこの2連発、いきなり飛び出したわけではない。大爆発の予兆とも言える“9連続飛球”があった。

【動画】大谷翔平、流し打っても飛距離十分の満塁6号

 大谷の打撃を見る際、専門家から多く語られるのは打球方向と回転だ。不調時の大谷は、より強く振ろうという意識が強いせいか、見た目にも引っ張り傾向が強く出る。ピンポイントで捉えれば飛距離130メートル級のビッグアーチをライトスタンド上段まで運ぶことはあるが、少しでもボールの上に当たるとドライブがかかり打球がフェンス前で失速。また痛烈ながらも内野ゴロに倒れることがあり、そのため「大谷シフト」はそのミスを逃さないようにと一、二塁間をファースト、セカンド、ショートの3人で守ることもあるほどだ。

 これが好調時になるとどうなるか。体を開かず、じっくりと引き付け、ボールの内側から叩いて外に押し出す。左打者である大谷がこのように打てば、当然センターからレフト方向へと飛ぶようになるが、これが面白いほどに伸びていく。引っ張った時とは逆に、ややボールの下にバットが入ることでバックスピンがかかり、打球はいつまでも落ちてこない。引っ張った時のような弾丸ライナーではないが、広いメジャーの球場でオーバーフェンスするには十分な飛距離が稼げる。この日の2本塁打は、どちらもセンターからレフト方向。これは日本で活躍していた時から好調時のバロメーターでもあり、フェンスまで高い札幌ドームの左中間最深部に叩き込んでいたことからもわかる。

 そして大谷は、確実に絶好調に近づいていた。5月7日(日本時間8日)の第1打席でセンターフライを放ってから今季5号まで11打席あったが1つの四球、1つの三振を除いて、9打席は3安打を含めて、全て飛球だった。さらにライト方向は1本だけで、残り8つの飛球は全てセンターからレフト方向。マドン監督をはじめ周囲からも好調の証しと言われていた打球が、まさにそれだ。

 昨季、不調時に大谷のウィークポイントとして攻められたのはインハイの速球と、アウトコースへ逃げる変化球。少なくとも後者については、じっくりと引き付けてレフト方向に打てる機会が増えれば、ホームランが増えるだけでなく打率も上がる。一発出れば、手がつけられなくなるタイプだけに、この後の試合・打席が楽しみでならない。
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【動画】大谷翔平、流し打っても飛距離十分の満塁6号
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