今月15日、沖縄県の本土復帰から50年が経過した。しかし、なお沖縄には米軍基地問題をはじめ、理想と現実の狭間で揺れ動く県民の葛藤が多く存在している。宜野湾市にある普天間基地の名護市辺野古への移設問題は最たる例と言えるが、この問題における現地高校生の意外な本音について、時事YouTuberのたかまつななが言及。「県外というのは理想論だから、普天間よりも辺野古の方がマシでしょ」など、教育実習で訪れた現地高校生のおよそ96%が“移設賛成”とする意見に驚かされた過去を明かした。
15日、ABEMA『ABEMA的ニュースショー』では、沖縄本土復帰50周年に合わせて「米国だった沖縄の記録と記憶」とするテーマを特集。その中で、沖縄で人気の演芸集団「お笑い米軍基地」のまーちゃんこと、小波津正光さんを紹介した。
東京で芸人として活動していた小波津さんが26歳で帰郷し、米軍基地をお笑いのテーマとした舞台「お笑い米軍基地」を始めたきっかけ。その後の活動などを振り返った小波津さんは、最後に“自らが生み出す矛盾”について次のように本音を明かした。
「僕はお笑い米軍基地という舞台をやってて、それをやるとお客さんもいつも満員。チケットも売れるからいつまでも続けたい。だから、いつまでも米軍基地があればいいと思っている。芸人としては…」
さらに小波津さんは続ける。
「一方、沖縄の人間としては、早くこの舞台ができなくなればいいと思ってて、相反する自分がいて。でも、そういうのが人間らしい。それが良いとか悪いとかじゃない」
国際政治学者の舛添要一氏は「基地で飯を食っている人はたくさんいる。マスコミの上では『基地反対』と。生活の上では無いに越したことはないが、今はロシアがそうだ、北朝鮮はミサイルを打っている。中国は…となったら増々米軍基地の重みが増えていく。矛盾していると言ったら矛盾しているが、そういう現実をちゃんと見て、お笑いの中でやるというのは大変勇気のある事」と述べた。
すると時事YouTuberのたかまつななは、自身がお笑い米軍基地のファンであることを明かした。「DVDめちゃくちゃ買ってみて、大学生のときに嘉手納に見に行ったことがある」としたうえで、当時のことを振り返りながら「私は基地問題など割と関心がある方だったと思うが、笑いどころの差に衝撃を受けた。現地の人はすごい笑うが、私にしてみれば『何でここで?』というような、それぐらい基地問題に対する感覚や価値観の差があった。舞台を見に行ってそれが印象的だった」と話した。
この話を聞いた千原ジュニアが「沖縄の人々の“あるある”が我々にとっては非現実的だ」と応じると、たかまつななは「久米島高校に教育実習に行ったことがある。その授業で辺野古への基地移設について賛成か反対かやったら、96%くらいの生徒が移設に賛成だった。私はそれにとてもビックリして。本土の方では『それはおかしい』という議論が起こっていても、子どもたちは『県外というのは理想論だから、普天間よりも辺野古の方がマシでしょ』と。それが沖縄の子どもたちの実感なんだと驚いた」と続けた。
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