星野源『うちで踊ろう』の中国版? 日本人ら演奏の『上海の風』が現地SNSで話題に
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 新型コロナで封鎖が続いた中国の上海市は先ほど、2カ月以上続いた「ロックダウン」を6月1日午前0時に解除すると発表した。

 1日午前0時以降、感染者が出ていない住宅の封鎖を続けてはならないとしており、上海の人口の9割以上にあたる市民に外出を許可するほか、地下鉄やバスなどの運行も再開させるという。一方、一部のオフィスビルなどでは出勤者を3割から5割に抑えるよう通知が出されていて、自主的な行動制限は当面、続く予定だ。

【映像】中国のSNSで話題になっている『上海の風』(17:18~)

 上海に住む約2600万人が大きなストレスにさらされる中で、ある日本人たちの活動が中国のSNSで話題になっているという。“60日隔離”を経験したANN上海支局の高橋大作支局長が伝える。(以下、高橋支局長)

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 ストレスが馬鹿にできないということを、上海市内で日本人向けに無料でオンラインカウンセリングを行ってくれている、臨床心理士の小野辺美智子さんという方から聞きました。

 今まさに隔離が終わろうとしていて、通常の生活が戻ってくるという段階なのですが、小野辺先生は、「自分は大丈夫」が危ない、「心のメンテナンス」を、「カウンセリング」は企業の責任だ、と仰っています。

星野源『うちで踊ろう』の中国版? 日本人ら演奏の『上海の風』が現地SNSで話題に
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 何よりも、「つながり」が非常に大事です。その中で、いわゆる日系の企業に務める日本人を中心とした27人がある曲を発表し、中国国内のSNSを席巻しています。それが、『上海の風』という曲です。

 こちらの曲が28日の正午に発信されると、1日と少しで150万回以上再生されています(30日19時時点)。私自身は、「こんな曲があって、見たら元気出るよ」ということを何人もの中国人の知人から送られてきたことで知って、びっくりしました。日本人で作った曲のようですが、中国人の皆さんの心に『上海の風』という曲が響いているようなんです。

 日本でも星野源さんの『うちで踊ろう』が大きな話題になりましたが、現象としては近いものはあると思います。少し違うのは、この『上海の風』は27人が同時に演奏して作っているんですが、27人全員が2カ月間隔離されているという環境で作り上げたというところですね。皆さんはもともとの音楽仲間だそうです。

 中国ではそれこそ政府に批判的なメッセージはシャットアウトされるんですが、この曲は全然批判はしていません。そこはかとない悲しさの中で、上海への感謝や尊い出会い、風のにおいが好きなんだ、という表現をしています。本当に今微妙な心で上海の人たちが生きているというのを体現した曲になっていて、それが中国の方の心を打ったんだと思います。

星野源『うちで踊ろう』の中国版? 日本人ら演奏の『上海の風』が現地SNSで話題に
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 また、こういうものも流行っています。4月の後半に出てきたんですが、台湾出身の中国人インフルエンサーのご夫婦によるエクササイズ動画です。リウ・ジャンホンという方、フォロワー7000万人というとんでもない数です。子どもから大人までできる簡単な動きで、上海、あるいは中国で知らない人がいないぐらい大バズリしました。こういった隔離期間中の流行も、オンラインでいくつか巻き起こりました。

 2カ月で体力、そして精神力はだいぶダメージを受けたと思います。やはり上海にお住まいの方は「大丈夫じゃない」んです。住む地域によって状況は異なりますし、それぞれが孤独に耐えて2ヶ月間を過ごしました。ここから再スタートが見えてきたんですが、だからこそしんどいんです。ずっと止まっていた状態から起き上がるのが一番大変なんだと思います。なので、「上海のいま」というのは、これからこそ伝えていかなければならないと思います。(ABEMA/『アベマ倍速ニュース』より)

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