将棋の豊島将之九段(32)が5月31日、王位戦挑戦者決定戦で池永天志五段(29)との熱戦を制し、藤井聡太王位(竜王、叡王、王将、棋聖、19)への2年連続挑戦を決めた。対局後に行われた記者会見では、6月28日開幕の七番勝負を見据えて「またタイトル戦で指せることが嬉しい。内容を良くしていきたい」とリベンジマッチへの意気込みを語った。会見の内容は以下の通り。
――171手の大熱戦を制し、挑戦権を獲得した今の気持ちを教えてください。
調べてみないとわかりませんが、まずい手を指してしまったような印象があったんですけど、最後まで集中して指すことができたのはよかったです。
――タイトルを失ってから半年でタイトル戦に戻られます。
無冠になったのでタイトル戦に出られる保証はないし、出られるかわからない状況だったので、またタイトル戦で指せることになって嬉しく思います。失冠したあと、12月も成績も内容も悪かったので、もう少しかかるかなと思っていました。
――リベンジマッチはどのような気持ちで臨みますか?
王位戦も1勝4敗、竜王戦も0勝4敗だったので、竜王戦が終わった後、内容がそこまで改善している感じではないですが、ここから1か月弱くらいでしっかり頑張って内容を良くしていきたいと思っています。
――藤井王位との昨年の“19番勝負”は振り返るとどんな糧になりましたか?
実力不足を痛感しました。自分の将棋を変えようと思うようなきっかけになりました。
――藤井王位は現在五冠。現在の藤井王位はどのような印象ですか?
非常に充実されていて、竜王戦の後も内容の良い将棋を続けられて結果も出されている印象です。
――ご自身は1年前からどのような変化がありますか?
いろいろだめなところに気付いて改善している途中という感じです。1年前は気付いていない部分もあったのでそこは違うかなと思います。
――王位戦初挑戦の時期から成長や変化を感じることはありますか?
経験を積んで、知らない局面になったとしても形勢の判断や、どういう風に指し進めていけばいいかが判断できる局面というのは増えている感じはします。
――ご自身で課題に感じているところ、また、それをどのように変えようと思っていますか?
言語化するのは難しいですが、20代後半の時と比べてうまく指せたなと思う将棋の感じは変わらないですが、冴えない将棋やひどい将棋が増えている印象があって、躓くポイントがふえている印象なのでそれを一個一個つぶしていっている感じです。
――年齢的な変化を感じられるのでしょうか?
そんなに感じてはいなかったですが、藤井さんとの対局もありましたし、そのあと12月も負けが続いたので、そういうところもあるのかなと感じ始めて。王位戦だと近藤(誠也七段)さんと指した将棋はうまく指せたかなという感じで、そういう将棋だとそんなに前と変わらない感じで行けているかなと思うんですが、うまく指せなかったときがひどい将棋が増えてしまっているかなという感じです。
――王位戦のイメージを教えてください。
2日制の七番勝負ですし、夏場に対局が続くので体調に気を付けながら指していければと思っています。
――ファンにどんな将棋を見せたいですか?
内容を良くしていって、接戦で最後までどちらが勝つかわからないような戦いをしていけたらと思います。
――第1局は愛知県犬山市での開催ですが、訪問されたことはありますか?
けっこう昔ですが、年末年始に家族でご飯を食べに行ったことがあります。
――全国を転戦するシリーズとなりますが、楽しみなことはありますか?
いろんな場所で対局できることは楽しみです。
(ABEMA/将棋チャンネルより)