将棋の藤井聡太棋聖(竜王、王位、叡王、王将、19)に永瀬拓矢王座(29)が挑戦するヒューリック杯棋聖戦五番勝負は6月3日に兵庫県洲本市の「ホテルニューアワジ」で開幕する。3連覇を目指す藤井棋聖か、6年ぶり2度目の挑戦で奪取を狙う永瀬王座か。研究仲間として知られる両者が初めてタイトル戦で激突するとあり、どのような頂上決戦となるか大注目が集まっている。開幕前日の2日には、両者が対局場検分に臨んだ。
将棋ファン待望のカードがついにタイトル戦で激突する。藤井棋聖がデビュー当時からの研究パートナーとして公表している永瀬王座と立つ大舞台。「今回こうした大きな舞台で戦えるのは楽しみ」と話しつつも、「お互い棋風も知っているところもあるので、さらに工夫していかないといけないのかなと思っています」と警戒している様子だった。
藤井棋聖は本局に勝利するとタイトル戦の連勝記録が14となり、歴代単独2位になる。しかし「そのことについては全く意識していないです。五番勝負の初戦ということで非常に大事な1局になるので集中して臨めればと思います」と自然体で話した。
一方の永瀬王座にとっては、2016年以来6年ぶり2度目の棋聖挑戦となる。藤井棋聖との待望のタイトル戦とあり、「4、5年くらい前から将棋を指していただいていて、やっとタイトル戦で指せるということをとても楽しみにしていました。今まで(タイトル戦で)指してきた方の緊張感を自分でも感じていて、準備の段階でプレッシャーを感じているような感じです」と武者震い。「公式戦では10局ですが練習の場ではその何倍も指しているので、両者棋風を熟知している部分があると思います」と心を躍らせていた。
過去の対戦成績は藤井棋聖7勝、永瀬王座3勝と星が寄っているが、直近2戦では永瀬王座が連勝を飾っている。絶対王者がどのような防衛戦を見せるか、挑戦者がどのような作戦を準備しているか必見だ。第1局は3日午前9時に対局開始を予定。持ち時間は各4時間。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。