2日、都内ホテルで「サイバーファイトフェスティバル2022 お祭りカウントダウン! 超前夜祭記者会見」が行われた。
その席上、6・12「サイバーファイトフェスティバル2022」のメインイベントで対戦するGHCヘビー級タイトルマッチ、王者・潮崎豪vs挑戦者・小島聡に向けて、“不沈艦”スタン・ハンセンから届いたメッセージ動画が公開された。
「ハロー! 日本のプロレスファンの皆さん。スタン・ハンセンです。今からコジマ(小島聡)についてお話します。今回のタイトルマッチ、私はコジマが勝つことを望んでいます。私が彼に初めて会ってから、ずいぶん長い時間が経ちました。彼も若かりし頃でした。彼は常にラリアットの研究に余念がなく、自分の必殺技にすることを決して諦めなかった。そして彼はプロレス界で最高峰の成功を遂げた。今回のタイトルマッチでも勝利を収めることを、ぜひ見せてあげてください。Youuuuuuth!!」
スタン・ハンセンといえば、ラリアットの元祖であり最高の使い手であるプロレス界のレジェンド。小島は今から20年前の2002年、全日本プロレスに所属していた頃、PWF会長だったハンセンに教えを乞い、その極意を伝授されている。今回はウエスタンラリアットの師匠から弟子へエールが送られたかたちだ。
しかし潮崎も、そのハンセンと90年代に歳の離れたライバル関係を築いた小橋建太からラリアットを引き継いだ豪腕ラリアットの使い手。ハンセンも注目する今回のGHCヘビー級タイトルマッチは、“ラリアット日本一決定戦”の様相も呈してきた。このラリアット対決を制して、試合後にGHCのベルトを腰に巻くのははたしてどちらか?
そしてもう一つ「サイバーファイトフェスティバル2022」で注目を集めているのが、丸藤正道&小峠篤司&稲村愛輝vs遠藤哲哉&秋山準&樋口和貞の「NOAH vs DDT」対抗戦。
しかしこの日の会見冒頭で、丸藤正道が「膝に痛みがあり、コンディション面でプロとして見せられる状態ではない」と欠場を表明。“ノアの象徴”が土壇場になって対抗戦出場回避となってしまった。そのため小峠がノアを代表して登壇し、試合に向けてのコメントを残したが、そこに現れたのが中嶋勝彦だ。
中嶋は「丸藤が欠場して困ってんだろ? 俺が出てやるよ」と、丸藤に代わってDDTとの対抗戦に出場を宣言。昨年10月、丸藤を破ってGHCヘビー級のベルトを腰に巻いた超実力派の参戦はノアにとって心強いことこの上ないが、単に助っ人を買って出るような甘い男ではなかった。
「あのさあ、前回の会見も見たんだけど、小峠、稲村、だらしがねえなあ。だらしがねえから、プロレスサークルのあんな奴らにノアがなめられるんだよ。コバンザメのチャンピオン(遠藤)、相撲崩れのプロレスラーもどき(樋口)、そして大老害(秋山)、つまんねえな。でも、俺とやりあえるのは秋山だけだろ? やっていいんでしょ。面白そうじゃん。やろうよ」と、対戦相手のDDT勢だけでなく、パートナーとなるノアの小峠と稲村もこき下ろした上での参戦表明だ。
そして自ら小峠に握手を求めながらスカした中嶋は「小峠、おまえはしょっぱいよ。女々しいよ。SNS使って誌面も使って、なに昔の話ばっかしてんだよ。おまえがこの10年ノアでがんばってきたことなんてどうでもいいんだよ。グダグダ言ってんじゃねえよ。ケンカだろ? やるならトップを狙えよ。やるなら秋山の首を獲れよ。やれんのか!」と、小峠に覚悟を問うと、強烈すぎる張り手!
すぐに張り返しながらもさらに強烈な張り手を喰らい、一瞬意識が飛んで後方に倒れた小峠だが、歯を食いしばって立ち上がり中嶋と胸ぐらを掴み合いながら「やるに決まってるだろ!」と返答。
お祭りムードだった会見上が一気に殺伐とした空気になる中、「ちょっとは目が覚めたようだな」と小峠の覚悟を確認した中嶋は、持ってきた袋の中からDDTのシンボルマークが描かれたボードを取り出すと、それをナイフで切り裂き、真っ二つに破り捨てた。
そして「フェス? 祭り? 違う。これはケンカだ。おい、DDT!もう二度とノアに触れたくないって思うくらいやってやるよ。俺がノアだ!」と、あらためて宣戦布告して会見場を後にした。
最も危険な男が名乗りを上げたことで、一気に緊張感が増した「NOAH vs DDT」対抗戦。ただでは終わりそうにない。
取材・文/堀江ガンツ