ひろゆき氏「何も変わらないだろうな」文科省が特出した才能の子に学習支援、実現可能性は
【映像】“突出した生徒”教師はどう見極める? 有識者会議座長と討論
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 文部科学省は、特定分野で突出した才能を持つ児童生徒について、学校における学習支援に初めて乗り出す。

【映像】ひろゆき氏「ギフテッド見たことない先生は見抜けない」討論シーン(12:13ごろ〜)

 文部科学省の有識者会議によると、特出した才能を持ち、通常の授業で苦痛を感じたり孤立したりする児童生徒について、特定の教科の高度なオンライン授業や、大学で指導を受けることを可能にするなど、才能を伸ばす方向で検討しているという。

 子どもの才能を伸ばすためには、どのような教育が望ましいのか。ニュース番組「ABEMA Prime」では、この取り組みについて、文部科学省有識者会議座長で放送大学長の岩永雅也氏と共に考えた。

 同省の有識者会議では「ギフテッド」という表現をあえて使わないとしている。これには、どのような理由があるのだろうか。

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 岩永氏は「いろいろな考え方があると思う」とした上で「まず、ギフテッドはキリスト教的な考え方をする国々の発想だ。要するに、自ら持っているものよりも、存在自体が『神から与えられたもの』でその中でも『突出してたくさん与えられた』というイメージでこの言葉が使われている」と説明。

 続けて「日本ではかつて英才や秀才、天才など、だいぶ色のついた言い方をしていた。今世紀に入ってから『ギフテッドと言っているよ』と海外暮らしの人たちから入ってきて、普及してきたと思う。まだ、意味合いがこういうものだと確定している表現でもないので、危険だ。そういう意味で、有識者会議そのものも『特定分野に特異な才能のある児童』という表現をしている。我々委員の間でもギフテッドというあいまいな言い方は、できるだけ避けるようにしようと合意ができている」とコメント。特定分野に特異な才能を持つ児童かどうかは、現場の教師が判断していくという。

 岩永氏の説明を聞いていた、ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「ギフテッドという言葉を使わないことも含めて『分かりやすい言葉を使った方が話が早く通じるよね』というのをまずやらないとか、話を聞いている限り、やっぱり仕事を増やさないようにしているだけに聞こえる」と発言。

「『IQでやります』というと自動的にギフテッド的な子が選出されるわけじゃないか。でも『IQじゃなくて、先生が現場で見ます』だと、先生に分かるわけないじゃないか。そもそも、アメリカでも『その子がこういうタイプだったらギフテッドだよ』と決まっているわけでもない。ギフテッドに会ったことがない人に『この子がギフテッドだ』と分かるわけがない。そうすると『ちょっと変わった子だな。でも面倒くさいから新しい手続きとか必要ないよね』と言って放置されて終わりだ。『仕事も増えないし、得だよね』と仕事を増やさないようにしている人たちがやる。何も変わらないだろうなと思った」

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 ここで、番組司会のテレビ朝日平石直之アナウンサーが「ひろゆきさんがおっしゃっていることはその通りだなと思う一方、岩永さんのお話を聞いていると、やっぱりギフテッドやエリートといった言葉が『日本の文化になじまない』とか、反発する人がいるんだなというのが分かる。どう進めていくか難しい」とコメント。

 ひろゆき氏は「才能があるかどうかと文化は全然違う話」とした上で「数学がめちゃくちゃ得意な子と、それを文化的にどのように評価するかは、マジどうでもいい話だ。能力ある子どもたちが能力を発揮できないので困っている。それをどう対処するか。でも、それを現場の先生の仕事を増やさないための言い訳に使われるのではないか」と懸念。

 作家で元日経新聞の記者の鈴木涼美氏は「本当はもっと早くやらなければいけなかったと思う」と意見。「別に突出した才能だけじゃなくて、単純に父がイギリス人、母が香港人で日本に生まれて、英語と日本語と中国語ができるような子が(英語の授業で)『This is a pen.』からやる必要はない。小学校5年生でも中学生の授業を受けていいと思う。どんなにお金をかかっても、教育は国がお金をかけるべきところ。なんでもっと早くやってくれなかったのだろう」と疑問を述べた。

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 続けて、鈴木氏は「(特出した才能を持った子どもを)先生が選ぶのも危なっかしい議論だ」と発言。

「内申書があったが、あれも結局は先生の心証を良くして『ギフテッドクラスに行きたいから先生に媚びる』みたいな状況にならないか。そうすると、そういうことに興味がない本当に才能を持った子がこぼれて、コミュ力が高い、いわゆる就活に強いみたいなタイプだけが、ギフテッドクラスにいくことになってしまう」

 平石アナウンサーは「ある意味では『突出した才能がある子』と『エリート』は違うとはいうものの、突出した子に別枠で何かをやらせるのであれば、その子に自覚を持たせる意味で『エリート』という言葉を使うこともあるのではないか」と疑問。「海外では、いわゆるノブレス・オブリージュ(※財産・権力・地位を持つ者は、それ相応の社会的責任や義務を負うという欧米社会に浸透した道徳観)みたいな言葉があったりする」と岩永氏に投げかけた。

 岩永氏は「ノブレス・オブリージュを前提に子どもたちに教育をしていて、受験競争や受験テクニックというような教育をしていない学校もある」と回答。「文部科学省が旗を振らなくても、すでにエリート教育は自然発生的にある」とした。

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 実際に制度が動き始めるタイミングは、どれくらい先をイメージしているのだろうか。岩永氏は「まだ具体的に提言や方策が決まっているわけではない」と述べた上で「私の個人的な考え方だが、やはりこういう問題は短期と中期と長期で考えていかなければいけない」とコメント。

「短期に関しては1年〜2年というすごく短いスパンで我々も制度を考えている。中期というのはやはり6年〜10年までの間。それからさらに長いスパンで作るシステムも考えていかなければいけない。決して短期を無視しているわけではない」

 文科省で議論されている突出した才能を持っている子どもへの学習支援。今後、どのような具体策が出てくるのか注目したい。(「ABEMA Prime」より)

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