19日、東京ドームで『THE MATCH 2022』が開催され、メインイベントでRISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)とK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者の武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が激突。およそ7年越しとなるファン待望の世紀の一戦は、那須川天心が1ラウンド終盤にダウンを奪い、5-0(29-28、30-28、30-28、30-28、30-27)の判定で武尊を下した。試合が終わると両者涙を浮かべながら互いの健闘を称え合う場面が見られ、視聴者からは「こっちも泣けてくる」「いい試合だった」「もらい泣き」「最強二人」などの反響が殺到した。
注目の一戦は3分3ラウンド・延長1ラウンドの特別キックボクシングルール。延長ラウンドの採点は、延長ラウンドのみで各ジャッジどちらか一方のマスト判定で行われた。
1ラウンド、少し硬さがみえる武尊に対して、那須川は持ち前のスピードを生かすと、武尊のガードを縫うように鋭い左を打ち込んでいく。残り30秒、状況を打開したい武尊は、スーパーマンパンチ気味に攻撃を仕掛けるも、残り10秒、再び武尊が飛び込んだところに那須川の左がヒット。武尊はたまらずダウンを喫する。
2ラウンドには武尊のバッティング、さらにクリンチからの投げなどで試合が中断する場面も見られ、ABEMAで解説を務めたK-1のレジェンドである魔裟斗が「(武尊が)焦っている証拠」と指摘する場面があった。
3ラウンド、やはり試合は那須川ペース。武尊の左フックが入る場面も見られたが、那須川がすかさず打ち返す。すると、武尊はニッコリと試合を楽しむように笑った。しかしその後、両者決め手を欠いて判定へ。終始リードを保った那須川がおよそ7年越しとなる世紀の一戦に5-0の完封で終止符を打った。
試合後、最初に涙を流したのは那須川だ。判定で勝利を確信すると涙を流した。さらに勝敗が決した後にリング中央で抱き合って互いの健闘を称え合うと、那須川から「出会えてよかったです」と一言。武尊も「ごめんな本当に。頑張ろうなお互い」などと応じた。
「勝ってキックボクシングからの引退」を宣言していた那須川、「死んでもいい」と覚悟を語っていた武尊。東京ドームで開催された『THE MATCH 2022』は大興奮で幕を閉じた。