将棋の藤井聡太王位(竜王、叡王、王将、棋聖、19)に豊島将之九段(32)が挑戦する、お〜いお茶杯王位戦七番勝負の第1局が6月28日、愛知県犬山市の「ホテルインディゴ犬山有楽苑」で対局を開始した。2期連続で同じ対戦カードとなった今期の七番勝負。振り駒の結果、先手番は豊島九段に決まった。3連覇を目指す藤井王位と、2期連続で挑戦権を獲得しタイトル奪還を目指す豊島九段がどんな激闘を繰り広げるか、ファンの期待が高まっている。
水色の羽織の藤井王位、薄緑色の羽織の豊島九段と、両者ともに夏らしい爽やかな和服姿で対局室に現れた。振り駒の結果、先手番は挑戦者の豊島九段に。飛車先の歩を進めて第1局が始まった。藤井王位は開始時のルーティーンとなっているお茶を一口含んでからの着手と、両者ともに落ち着いた様子だった。
藤井王位は2016年10月に四段昇段。第34期竜王(1組以上:1期)、順位戦A級(A級以上:1期)。タイトルは通算8期で、現在最多の五冠保持者。棋戦優勝は5回。デビューから5期連続で年度勝率8割を超え、将棋大賞でも2年連続で最優秀棋士賞に選ばれるなど令和将棋界のトップに君臨する天才棋士だ。王位戦は2020年、木村一基王位(肩書は当時)に初挑戦し4連勝で奪取。2021年は豊島九段の挑戦を1敗ののち4連勝で退け、連覇を達成した。五冠王となった今期は王位3連覇を目指して戦う。
豊島九段は2007年4月に四段昇段。竜王戦1組(1組以上:9期)、順位戦A級(A級以上:6期)。タイトルは通算6期、棋戦優勝は5回。王位戦は2018年に初挑戦し、菅井竜也王位(肩書は当時)をフルセットの末に破り初戴冠。翌年は木村九段の挑戦を受け、3勝4敗で失冠した。2021年に再び挑戦権を獲得して藤井王位に挑戦するも、4勝1敗で退けられる結果に。2期連続で挑戦者となった今年は、4期ぶりの復位と藤井王位へのリベンジを期すべく強い思いを内に秘めている。
藤井VS豊島戦といえば2021年度の王位戦七番勝負のほか、叡王戦五番勝負(3勝2敗で藤井挑戦者が奪取)、竜王戦七番勝負(4連勝で藤井挑戦者が奪取)と3つのタイトル戦を戦い、そのすべてを藤井王位が制したことで強いインパクトを残した。対戦成績は藤井王位13勝、豊島九段の10勝で、直近の対戦は2021年11月のJT杯。3つのタイトル戦を終えて無冠となった豊島九段が、このJT杯の決勝で藤井王位に勝利して優勝を果たしている。
持ち時間は各8時間の2日制。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)