希望する側と受け入れる側があって、初めて成立する転職。従業員を受け入れる企業側は転職してくる人材に何を求めているのだろうか。
【映像】ひろゆき氏「僕は受かりそうか?」質問に採用担当者の答え(11:45ごろ〜)
ニュース番組「ABEMA Prime」では、採用のポイントはどこにあるのか、企業の採用担当者を招き、本音に迫った。
半導体・電子部品業界でBtoBメーカーの採用担当者である南條氏は「中途採用は新卒のように説明会などのイベントは基本的にない。応募者から出された書類をチェックして面接をするのが主な内容だ。弊社の場合は1次面接と最終面接の2回。私は職場の責任者と一緒に、1次面接の面接官をやっている」と話す。
毎月100人以上の応募があり、およそ50人を面接し、そのうち毎月5人を採用しているという。
ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏が「最終面接で落とすのはどんなタイプ?」と質問すると、南條氏は「20代だけど、愛社精神を気にしないようなタイプ。面接は役員がやるが彼らには愛社精神がある。これまで会社を育ててきた自負があるので『ちょっとうまく合わないな』みたいなことになる」と説明。
これに、ひろゆき氏は「そうか、若手で超優秀だけど愛社精神とか全然ないですよ、みたいな人は通らないのか」と感心。また中途採用を大々的にやっている理由として、南條氏は「うちの場合は半導体の関係もあるので、業界的に盛り上がっていて増員したい目的が強い」と話す。
採用には転職エージェントを使うこともあるという。南條氏は「明らかに“NGな人”を止めてくれるし、また比較的マッチしやすい人を見定めてくれる」と話す。
熱意があって自社サイトから直接応募してくる人より、エージェント経由で来た人のほうが受かりやすいのだろうか。
「自社サイト経由だと我々と求人者が直接やり取りすることになるので、実際の温度感や『志望度は高いの?』みたいなことが聞けない。エージェントを通すとそれが聞けるので、企業としてもより実情を知ることができる」
また、南條氏は最も重視している部分について「人柄というか、コミュニケーションだ」と回答。
「スキル重視で採用すると、入社した後に人間関係でトラブルを起こしたりして、痛い目をみることがある。そういう教訓があるので、ちゃんとコミュニケーションを取れる人間が大事。スキルはそこそこあれば、入社してからでも育てられるよね、という感覚だ」
コミュニケーション能力はどこを見て判断しているのだろうか。
「候補者に対して『何か気になることはありますか?』と質問をさせることが多い。あまりうちの会社を研究してなかったり、やりたいことがないと、質問が出てこなかったりする。そういうところで、コミュニケーションの力を見ている」
南條氏は、大卒以上であればそこまで学歴は重視していないという。ひろゆき氏が「じゃあ『Fランク大学卒で25歳です』みたいな人も採る可能性があるのだろうか」と質問すると、南條氏は「採る可能性はある」と肯定。「実際に面接をする前に適性検査をやってもらう。Webで検査、性格の傾向だったり言語力だったり数学系の力をみる。そこで数字が高ければ、別に学歴は関係ない」という。
一方で中途採用をめぐる実情について、クラウドワークス取締役の成田修造氏は「企業間で人材獲得戦争になっている」と話す。
「私の会社は"いかに自分たちで集めてくるか"を大事にしている。もちろん人材紹介会社も使うが、いい人材は向こうが熱意を持ってくれるまで口説きにいかないといけない。今は少子化もあるので若手人材は取り合いだ。同じような業界内での競争で、自分たちの会社の訴求力をどう高めていくか?を考えながらやっている」
解雇規制について「うっかり問題のある人や能力が低い人を採用してしまうと、数十年にわたってその人を養うのがリスクだ」と述べる南條氏。その上で「給与も年数が経つとどんどん上がってくるので、『問題がある人は採用したくない』という思いが優先される」と説明。その結果、労働者側も気軽に転職しづらい環境になっていると指摘した。(「ABEMA Prime」より)
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