将棋の棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定トーナメント、羽生善治九段(51)と千葉幸生七段(43)の対局が6月30日に行われ、ABEMAの中継に島朗九段(59)が出演した。若手の活躍が目覚ましい将棋界。現在、2つの防衛戦を戦う藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、19)の話題にも触れ、「藤井さんも楽して勝っている訳ではない。(トップ勢の力の差は)本当に微差。それだけに凄みがある」と心を寄せていた。
島九段は1980年9月に四段昇段。1984年度には新人賞と最多勝利賞を獲得した。1988年には自身初のタイトル挑戦となった第1期竜王戦で米長邦雄九段(当時)に4連勝を飾り、初代竜王の座に就いた。以降も王座、王将、棋聖のタイトルに挑戦。さらに羽生九段、佐藤康光九段、森内俊之九段ら当時の若手棋士との研究会「島研」の主宰者として将棋研究に新しい風をもたらすなど、名実ともに超一流の実績を残したベテラン棋士の一人だ。
ABEMAの中継に出演した島九段は、羽生九段の七冠王時代の話題から現在の将棋界をけん引する藤井竜王まで、広く話題を展開。現在、棋聖戦五番勝負と王位戦七番勝負と2つのタイトル防衛戦を戦う藤井竜王について「(トップ勢の力の差は)本当に微差。藤井さんが楽して勝っている訳ではないことは、最近の戦いぶりを見てもわかると思う。相手の方もより研究してきますし、藤井さんもぎりぎりであれだけの勝率を残している。それだけに凄みがある」と語った。
さらに、時代の変化したが故のひそかな苦労についても言及。「羽生七冠王の時代は大盤解説会場に対局者が行く慣習や、今のように対局中継をずっと見られる夢のような環境もなかった。藤井さんも人間だから、正直疲れて面倒に感じることもあると思う。嫌な顔せず応えていて、出来ているなあと思うんですよね」。島九段は2021年、テニスの大坂なおみ選手が記者会見を拒否した問題にも触れ、「世界もレベルも年齢も全然違うんですけど、少し(気持ちが)分かる部分もあった。人間だからいろんな時がある。藤井さんや今の若い方はみんなスポンサーやファンの方のことを思って、きちんとこなされているなと感心することが多い」と労った。
将棋界の重鎮だからこそ話せるエピソードの数々に、視聴者からは「貴重な話」「他では聞けない話」「ありがたいお言葉」「正座して聞いちゃう」「島先生はいい先輩」「生き字引きですね」と様々な声が寄せられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)