将棋の藤井聡太棋聖（竜王、王位、叡王、王将、19）に永瀬拓矢王座（29）が挑戦するヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局が、あす4日に千葉県木更津市の「龍宮城スパホテル三日月 富士見亭」で行われる。3日、対局者が現地に入り対局室の検分を行った。
海を臨む対局場は、藤井棋聖が昨年3連勝で初防衛を果たしたシリーズの開幕局が行われた思い出の地。1年ぶりに対局室に姿を見せ「東京湾の景色が見られて本当に良いところだなと思います」と笑顔を見せた。現在、王位戦七番勝負とともにダブル防衛戦を戦う藤井棋聖。黒星発進となった王位戦第1局からは中4日で木更津対局に挑む。「しっかり休むことができたので、コンディションとしては問題ないかなと思います」と意気込んだ。
棋聖戦五番勝負は黒星スタートから第2局を取り返し、シリーズ1勝1敗の勝負所を迎えている。先手番の第3局を制すれば3連覇に王手がかかる。「非常に大事な一局。第3局はこちらが先手になるので、それに向けて準備をしてきました」とすでに臨戦態勢を整えていた。
挑戦者の永瀬王座は、タイトル戦での木更津訪問は初めてだが、「ホテル三日月は家族で来たことがあります。コロナ前は、家族で近くのアウトレットに行くのが恒例でした。木更津は縁があるのかなと思っています」と好印象の様子だ。
6月3日の開幕から約1ヵ月。永瀬王座は、「藤井棋聖と対局するのは他の方とは少し違うものがあります。今までタイトル戦で戦われてきた方の心労というものも、挑戦者になってみて肌で感じています」と心情を語った。それでも目指すところは棋聖奪取の一点のみ。「次は後手番。トップ棋士だとなかなか難しいですが、その中でもふんばらないといけないと思っています。勝負所の第3局目で厳しい戦いになると思いますが、精いっぱいしがみついていきたいと思っています」と闘志を燃やしていた。
（画像提供：日本将棋連盟）
