もう尾行はしない?スパイ活動もデジタル化へ 巧妙化するサイバー攻撃の手法を専門家に聞く
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「サイバー攻撃の脅威が日々高度化、巧妙化する中でサイバー空間における能力の向上は喫緊の課題。サイバーセキュリティに関する専門的知見を備えた優秀な人材の安定的な確保が不可欠」

【映像】巧妙化するサイバー攻撃の手法とは

 5日、サイバーセキュリティに関する知識を備えた人材を発掘するためのサイバーコンテストを開催することを明らかにした岸防衛大臣。安全保障上の懸念となっているサイバー攻撃に対し、優秀な担い手を民間から探し出す狙いだ。

 サイバー攻撃の脅威がより身近なものとなったのが、去年起きた、中国人の元留学生が関わったとされる事件。

 警視庁公安部は去年4月、JAXAへのサイバー攻撃に使われたレンタルサーバーを偽名などで契約したとして中国共産党員の30代の男を書類送検した。JAXAのほかに、防衛関連の研究機関なども被害にあっていて、中国人民解放軍の指示を受けたハッカー集団が関わったとみられている。

 この捜査の過程で、中国人の元留学生が2016年11月、架空の企業の名前を使って、販売が日本企業に限られていた日本製のウイルス対策ソフトを購入しようとしていたことが明らかになった。警視庁公安部は、中国人の元留学生、王建彬容疑者の逮捕状をとったが、現在は中国に帰国している。

 「国に貢献しなさい」と軍の関係者から迫られたという王容疑者。政府が後ろ盾となって、日本の機密情報を狙っているという疑惑について、中国政府は一貫して否定している。

 そんな中、今年4月、警察庁は「サイバー警察局」と「サイバー特別捜査隊」を発足させた。海外で複雑化するサイバー攻撃に対して、各国が連携して捜査するなか、日本もそうした共同捜査への参加を目指す。

 留学生として日本にやってきた外国人がサイバー攻撃に関わる可能性もあるいま、果たして世界最多の人口を誇り、各国にネットワークを持つ大国、中国に立ち向かう術はあるのだろうか。ニュース番組『ABEMAヒルズ』では、サイバー安全保障に詳しい国際ジャーナリストの山田敏弘氏に話を聞いた。

もう尾行はしない?スパイ活動もデジタル化へ 巧妙化するサイバー攻撃の手法を専門家に聞く

Q.中国では国のために、もう一つの人生をスパイとして送ることは割と多くある話なのでしょうか。またそれは受け入れられているのでしょうか?

スパイ組織というのが中国にいくつかあって、そこに勤めている人たちは当然、国に捧げているということですね。彼らは自分たちで手を下さずに、協力者を世界中に持っているんです。そこには、経済的な理由や国民の弱みにつけ込むわけですね。例えば、家族が人質のような形で国に残っているといった留学生ですね。留学に来ているけれども、『国にいる家族に年金をちょっとあげるから、あなたの今研究している情報を持ってきてくれないか』と働きかけをする。そういうこともやっていくので、それに関して断る人がほとんどいないっていう話なんですよね。

Q.中国のスパイ組織は世界中にいるものなのでしょうか。また、人数や属性はわかっているのでしょうか?

MSS(=中国国家安全保障省)と言われるスパイ組織があります。これは完全に世界中でスパイをするために訓練されてる人たちの組織で、日本にも当然います。海外にも多くて、例えば最近だとヨーロッパでは、かなりビジネス関係も近いのでスパイ工作、知的財産や機密情報とかそういったものを取るために、活動活発化させてるんですよね。アメリカの場合では、研究者ということで大学とかに研究とかに入ってきて、アメリカの当局やFBIとかが家宅捜査が入ると、実は人民解放軍の制服を着ている写真が出てくるといった、肩書きを変えて世界中でも活動してる。その上にいるのがMSSの本当のスパイの諜報員達ですね。

Q.スパイは盗むだけではなく、今までとは違った新たなやり方も出ていると聞くのですが、それはどういったものなんですか?

第一にはサイバー攻撃。あとデジタル系ですね。元スパイだったような人に話を聞いてみると、今はインターネットが進んできているので、これまでやってきたスパイ活動の半分くらいはデジタル化していると。要するに、尾行するという任務があったとしても携帯電話をハッキングしてしまえばリスクを負わずにある程度、人々の動きがわかると。なので、情報収集の部分でかなり働き方が変わってるという感じになっているということですね。

Q.日本の公安調査庁はどこまでスパイを把握できていて、「スパイ防止法」についてはどのように考えていますか?

数が多く全部把握するのは難しいが、ある程度大きな事件に関しては必ず目を光らせるようにしてるようです。ただ、それにも限界があって、スパイということで摘発ができないため、窃盗罪や不正競争防止法の違反とかという形でしか逮捕ができないんです。また、スパイ工作の一つの大きな作戦で、働きかけを政治家にしていくというものがありまして、これに関しては摘発する法律がないので、スパイ防止法という形で全てひっくるめて、日本の安全保障に対する脅威なってる国に関しては摘発できるような体制は作ってからいけないと思います。

(『ABEMAヒルズ』より)

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