将棋の藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、19)が7月8日、棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定トーナメントで中川大輔八段(53)に勝利し、ベスト16入りを果たした。今年度、自身が保持する五冠防衛と棋王挑戦、獲得を果たした場合は六冠達成とあり、大事な初戦を突破した。次戦では、ベスト8入りをかけて久保利明九段(46)と対戦する。
藤井竜王が本戦初戦を白星で飾った。中川八段の先手番で、「相掛かり」の出だしとなった本局は、じっくりとしたペースで互いに慎重な進行をたどった。後手の角交換示唆からいよいよ開戦。自陣のスペースを確保する先手に対し、藤井竜王は角で後手陣を広くカバー。瞬く間に優勢に立った。攻め合いから中川八段が反撃に出て押し返したが、逆転には至らず。藤井竜王が勝利を飾った。
終局後、藤井竜王は「序盤から一手一手難しくて、考えてもわからない局面が多かったなと思います」と振り返った。一方の中川八段は、2012年度以来の本戦トーナメントを初戦敗退となったが「宝くじに当たったようなものですよね。せっかく(藤井竜王に)教われるならと気合を入れてきたんけど、ここまででした。振り駒で先手番だったので好きなように指させて頂いた。力を出し切った結果、負けてしまいました」とさわやかに話した。
この結果で、藤井竜王はベスト16に進出。現在五冠を保持し、将棋界の頂点に君臨する藤井竜王も、棋王戦は挑戦経験がない。今年度、五冠を防衛して棋王初挑戦から奪取を果たした場合は最年少六冠達成とあり、さらに注目度は高まる。次戦、振り飛車党の第一人者の久保利明九段(46)との対戦を見据えて「棋王戦ではなかなかこれまで上に進めていないので、少しでも上に進めるように頑張りたいと思います」と意気込みを語った。
(ABEMA/将棋チャンネルより)