13日、「世界経済フォーラム」が公表したジェンダーギャップレポート。政治・経済分野だけでなく、スポーツ界でもジェンダー格差が問題となっている。
【映像】女子日本代表・髙田真希に聞く スポーツ界のジェンダー格差
ジェンダーギャップレポートは、政治、経済、教育、健康の4つの分野について男女格差を指数化したものだが、日本は146カ国中116位で、前の年とほぼ同じ低い水準にとどまった。
教育と健康の分野では男女平等がほぼ達成されていたが、国会議員や閣僚に占める女性の割合が低く、政治分野では100点満点中6点だった。そして、ジェンダー格差はスポーツ界でも指摘されている。
内閣府がまとめた男女共同参画白書によると、女性アスリートの収入は、8割近くが400万円未満で約7割が金銭面で問題があると回答。女性アスリートが競技生活を続ける上で、大きな課題に。さらに、スポーツ団体における女性役員の割合も8.4%と低い割合に留まることが指摘されていて、女性アスリートからは次のような声もあがっている。
「家族に金銭面で負担をかけること以外に、オリンピックに出たいという自分の『我が儘』で娘を預けなくてはならないという葛藤があった」「産後も競技を続けたいという思いを持つアスリートがいる。ママアスリートが抱える不安や困難は,企業等で働く母親と同じと思う」(プロスキーヤーの三星マナミさん ※男女共同参画白書 平成30年版より)
月経痛や妊娠・出産など、女性の身体的特徴を踏まえたうえで、どのようなサポートがあればキャリアを継続できるのかが課題だ。また、アスリートだけではなく、一般の人々のスポーツ習慣に目を向けると、週1日以上運動をする人の割合は男性の方が高く、運動不足を感じる人は女性の方が多くなっている。
運動したくてもできない状況にあるのではないか、その背景に格差がないかを考える必要がある。この問題を現役選手はどう捉えているのか。東京オリンピックで銀メダルを獲得したバスケットボール女子日本代表で、株式会社TRUE HOPEの社長でもある髙田真希選手に話を聞いた。
ジェンダーギャップ指数を受けて、髙田選手は「近年、男女平等や女性の社会進出といった言葉を耳にしたり、目にする機会が増えてきたが、こうして順位として現れるのはまだまだ叶わないのかな」と回答。
なお、スポーツ団体における女性役員の割合が8.4%と低い割合になっているが、実際の女子バスケットボールでは、会長や理事に女性が入ったりと女性の進出が近年目立ってきているという。
その中でやりにくさなどを感じたり、または女性ならではで立ち振る舞いやポジション的に苦しい思いなどをされている方はいないのだろうか。それについて髙田選手は次のように話す。
「結婚した後に妊娠・出産があった後は、女性アスリートは競技を続ける難しさがある。バスケットはチームで動いているから、チーム活動に合わせていかないといけない部分もある。出産した後にもバスケットを続けられる環境を作ることがベストだと思うが、そこがなかなか難しいところ。だけど、バレーボールでいうと荒木絵里香さんは引退されたが、お子さんを産んだ後でも長く続けていたので、そういった理解は深まってきているのかと思う。なので当事者が声を上げることや、それを受ける側も理解を深めるといったお互いに成長していくことが大事」
これを受けて、ニュース番組『ABEMAヒルズ』に出演した元ヤクルト監督で野球解説者の古田敦也氏は、「現実に、協会を支えているのは男性が多く、女子アスリート目線で考えるという作業はあまりなかったと思う。上の人たちは意見がないと納得してやってきたと思っているので、髙田さんがおっしゃったようにどんどん発信していったほうがいい」と述べた。(『ABEMAヒルズ』より)
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