ドラマ共演を機に知り合い、お互いを「姉妹のようだ」という鈴木愛理と莉子。鈴木が連続ドラマに初主演する『ANIMALS‐アニマルズ‐』は、踏み出した第一歩が人生の大きなターニングポイントになりえることを描いている。鈴木と莉子がこれまでの芸能生活を振り返り、自らの分岐点を語る。
今年芸能生活20周年を迎えた鈴木がターニグポイントとして挙げるのは2017年。ハロー!プロジェクトおよび慶応義塾大学を卒業した年だ。「15年間続けてきたものが全て終わるという上半期を経て、初めて立ち止まることを経験しました。初めて家族と休日を一緒に過ごしたり、人の評価を気にすることなく歌っていた時代の“好き”という歌への純粋な気持ちを思い出したりして。いい意味で人間に戻る時間でした」と説明する。改めて転換期の2017年を「無くてはならない貴重な濃い1年でした。全部なくなってゼロになってそこからの再構築。私の第二の人生のスタートだと言えます」と大切な時期であると胸に留めている。
現在19歳の莉子にとっての分岐点は中学2年生の頃。現在の芸能事務所に所属した時期だという。「それまでジュニアモデルとして活動はしていましたが、今の事務所に所属したことで仕事に対する自覚を持ってやっていくと決断することができました」と振り返る。
鈴木にとって2022年はアニバーサリーイヤー。連続ドラマ初主演も飾った。今後も目標については「コロナ禍を経て芸能生活20周年を迎えてみて『ここに立ち続ける意味とは?』と考えたときに、変わらない思いとして『元気を与えて人に求められる存在になる』という気持ちがありました。その思いが自分の中の軸として消えない限り、そして私を求めてくれる人がいる限りは、どんなツールであれ表舞台に出て頑張り続けたい」と継続を誓う。
一方の莉子は「今後の目標は…ありません!」という。だがそこには理由があって「何事も楽しんでやるというのが私の活動する上でのモチベーション。オールジャンルになんでもやりたい人間なので、あえて目標は定めません。今は演技が楽しいと思えるので続けていきたいけれど、目の前にある楽しいと思えそうなことにはチャレンジしていきたい」と制限をかけることなく突き進む姿勢を見せている。
取材・文:石井隼人
写真:山口真由子