将棋の藤井聡太棋聖(竜王、王位、叡王、王将、19)に永瀬拓矢王座(29)が挑戦しているヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第4局があす17日、愛知県名古屋市の「亀岳林 万松寺」で指される。シリーズは藤井棋聖が2勝1敗。この第4局で防衛を決めるか、永瀬王座が初の棋聖奪取に向けてタイに戻すか。16日には両者が現地入りし、対局場の検分を行った。
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シリーズはいよいよ終盤戦。藤井棋聖は勝てば3連覇、永瀬王座は勝ってフルセットに持ち込むべく、両者にとっては絶対に負けられない勝負所の第4局となる。藤井棋聖は王位戦七番勝負も同時進行しており、札幌で行われた第2局から中2日とハードスケジュールの真っ最中。「しっかり休めましたし、状態としては良いかなと思っています。対局が続くので、地元で開催して頂けるのはありがたいことだと思っています」と名古屋開催を感謝した。あすの第4局が10代最後の対局。「19日が誕生日ですが、それに関して特別意識することはないので、いつも通りに臨めたらと思います」と自然体だった。
挑戦者の永瀬王座にとって、名古屋は「第2のホーム」だという。対局相手であり、研究パートナーである藤井棋聖との練習のために幾度となく通っているため「土地勘もある」と話した。さらに対局場の万松寺は2020年7月に行われた叡王戦七番勝負の開催地で、第3局は207手で持将棋、第4局は232手で白星と、異例の大熱戦の舞台としてファンには強く印象に刻まれている。永瀬王座にとっては「縁起の良い場所」と笑顔で語った。
永瀬王座はここまでに1勝2敗だが、第1局では2度の千日手があったことから都合“5局”を経験。「ここまで3局指して収穫もたくさんあって、藤井さんがなぜ強いのかもわかってきた。自分なりに普段の勉強法に取り入れて、少しでも棋力が上がるようにと意識して毎日を過ごしてきました」。第4局では先手番。「フルセットに繋げるためには頑張らないといけないと思っている。ファンの皆様に一局でも多くお見せしたいと思うので頑張りたい」と意気込みを語った。
(画像提供:日本将棋連盟)