6月12日のさいたまスーパーアリーナにおける『サイバーファイト・フェスティバル2022』のリング上で来春引退を表明した武藤敬司。そのファイナルカウントダウンが7月16日の日本武道館大会からスタートした。アイドルのスペースローンウルフとして売り出された時代のテーマ曲『ファイナルカウントダウン』の旋律が『HOLD OUT』に変わる中、花道を進む武藤を待ち受けていたのは“ノアの未来”清宮海斗だ。
 2020年8月10日、横浜文化体育館で初めて一騎打ちを行って以来、清宮にとって武藤はひとつの目標、指針になった。足4の字固めで敗れたものの、4年8ヵ月というキャリアでグラウンドの攻防で必死に食らいつくことができた清宮は「格闘技経験がないからこそ、リング上での腕の取り合いとか基本的なところにのめり込んでいて、頭を使いますし、知恵の輪みたいなのが凄く面白いですね」と、武藤との戦いにハマった。一方の武藤も前半5分のグラウンドの攻防を重視しているだけに、そこで逆に自分をコントロールしようと挑んできた自分の息子と同い年(96年生まれ)の若者に興味を持った。