「♪アベトナ、がーんばーりますー♪」。絶妙に力の抜けた歌声が、スタジオに響き渡った。将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の予選Eリーグ第2試合、チーム渡辺とエントリーチームの対戦が7月16日に放送された。エントリーチームのリーダーは、YouTube「アゲアゲ将棋実況」でも知られる折田翔吾四段(32)。ドラフトで指名されなかった棋士による予選トーナメントでは、独特な戦型選択もしながら、見事に本大会出場のきっぷを勝ち取った。YouTubeでは、これまた独特なメロディーによる自作の歌を披露しているが、晴れ舞台でも隙あらばと、何度もその歌声をファンへと届けた。
熱唱でもない、ラップでもない。あえて言うなら“アゲアゲ調”だ。渡辺明名人(棋王、38)率いるチーム渡辺は今大会の優勝候補の一角で、エントリーチームにとってはチーム名にもつけたように、まさに「下克上」を目指す戦いだ。渡辺名人が冒頭から「どうもっす。マンモス」と、ユーモアたっぷりにあいさつをすると、折田四段も対抗。「そうですね。ホンマにまあ、この日に向けてみんなで力を合わせてね、気張っていきたいと思うてます」と、謎のものまねで意気込みコメント。渡辺名人を「誰、それ」と笑わせることに成功した。
続いて、真面目に「チームを結成しまして、すぐに会議で戦略を練って、かなり練習も重ねてきました」と語ったかと思えば「♪アベトナ、がーんばーりますー♪」と歌い出し、周囲を唖然とさせた。さらには第1局にリーダー自ら出場することが明らかになると「♪初陣、がーんばーりますー♪」と第1局を指す前に、早くも2曲目に挑戦。渡辺名人から「さっきとあんまり変わってない」と、またも突っ込まれた。
その後、折田四段は「普段からYouTubeの動画とかで歌っちゃってるんで、自分の変なくせが出ちゃいましたね」と苦笑いしていたが、その後も“折田リサイタル”は止まることなく「♪みんなで、がーんばーりますー♪」「♪アイデンティティ、崩壊♪」と、次の一手をどんどんと繰り出し、視聴者からも「歌ってるぞw」「強心臓だよ」「将棋の強い歌い手」「突然ぶっこんでくるねw」「歌わないと気がすまないアゲアゲw」と笑いを取っていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)