感動の予選突破の次は恐怖体験!?将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」で、本戦トーナメント出場を決めているチーム豊島の豊島将之九段(32)、丸山忠久九段(51)、深浦康市九段(50)の3人が集結。更なる激戦が見込まれる本戦を前に、何事にも動じない平常心を身に着けるべく、「リアル脱出ゲーム」に挑戦した。
リーダーの豊島九段は、3回目の団体戦で念願の本戦出場。今期の予選リーグでは、深浦九段が個人6戦5勝とチームをけん引し「豊島さんが予選で苦しむ姿を見たくなかった」という言葉でもファンの心を熱くさせた。いよいよ迫る本戦の大舞台を前に、豊島九段は「脱出ゲームを通じて、思考力やひめき力を鍛えようかなと思います!」と呼びかけた。ただし、3人が挑むのはただの脱出ゲームではない。ひらめきや思考力に加えて、何事もに動じない平常心を身に着けるべく、お化け屋敷の要素も加わった脱出ゲーム「呪われた廃工場からの脱出」への挑戦となった。
脱出ゲームもお化け屋敷もほぼ未体験の3人。不安げな様子の深浦九段からは「これは何かの罰ゲームなのかな…?」と弱々しい声が漏れていた。暗闇の廃工場に残された手がかりをたどって脱出を目指すだけでなく、場内には謎の存在の“おにいちゃん”が徘徊している。この追手をかわしつつミッションをクリアする難ゲームに足取りはビクビク。普段は冷静な豊島九段が、思わず「うわあああ!」と声を上げる場面もあった。しかし、その表情はどこか楽しげ。先輩棋士2人とキャッキャと声を上げてはしゃぐ様子も見られた。
一番のリアクションを見せたのは丸山九段。予選リーグでもニコニコと柔らかく朗らかな笑顔が印象的だったが、一人でクリアを任されたミッションでは、笑顔は消え去り恐怖と驚きのあまり大絶叫するシーンも。名人2期、棋王1期の輝かしい経歴を持ち、数々の難所を突破してきた丸山九段が見せたまさかの一面に、豊島九段、深浦九段は「聞いたことない声ですね!」と思わず顔を見合わせていた。
その後も迫りくる謎の“おにいちゃん”を、お札が設置されたエリアで回避しつつ、冷静かつ慎重な読み筋で次々にミッションをクリア。3人は力を合わせてなんとかゴールにたどり着いたが、それぞれの額にはわずかに汗がにじんでいた。
恐怖に顔をゆがませていた丸山九段も「今日でドキドキを味わったので、ABEMAトーナメントのドキドキを克服しました。本戦も勝ち進んでいければ」と晴れやかな表情。終盤戦で“おにいちゃん”に捕らわれてしまったという深浦九段は、「今日はかなり怖かったので、これ以上トーナメントで怖いことはないと思う」と冷や汗をぬぐった。終始楽し気な様子だったリーダーの豊島九段も「チーム戦でもありつつ個人戦でもあるところがあったので、この経験を本戦にも生かしていきたいなと思います」と充実感をにじませた。
この様子を見届けたファンは「お互いが信頼し合ってるのが伝わる」「めっちゃニヤニヤしちゃった」「怖がってるのにかわいい」「豊島先生の笑顔よ」「笑いこらえるの大変」「みんなニコニコで最高」「これはリピ決定」と多くのコメントが寄せられていた。
いよいよ迫る本戦1回戦では、エントリーチームと対決。優勝候補の藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)率いるチーム藤井を予選で破り、チーム名の「下克上」のままに勝ち上がってきたチームとあり、勢いは10チームで一番と言っても過言ではない。難敵との対戦となるが、この日手に入れた平常心とさらなる結束力を武器に、優勝まで駆け上がる。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)