この勢いは誰にも止められない!?将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」で、本戦トーナメント出場を決めているエントリーチームの折田翔吾四段(32)、黒田尭之五段(25)、冨田誠也四段(26)の3人が集結。藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)率いるチーム藤井を破って本戦突破を決め波に乗る3人が、次なる下克上を目指し「戦国武将」スタイルに変身して気合を込めた。
【動画】エントリーチームが“絶対王者”チーム藤井に勝利したシーン
予選リーグでは藤井竜王、渡辺明名人(棋王、38)と将棋界のトップランナーが率いる2チームと戦い、見事予選2位で本戦行きを決めたエントリーチーム。チーム名でもある「下克上」を見事体現してみせた。本戦は負ければ終わりのトーナメントだが、リーダーの折田四段は「本戦も勝って勝って勝ちまくりましょう!」とひるむ様子はない。「下克上」、と言えば「戦国武将」。「戦国武将のように“軍議”をして本戦への対策を練りましょう」と呼びかけた。唐突な提案に、冨田四段からは「戦国武将スタイル!?あんまり聞き慣れない言葉ですが(笑)」とツッコミも入る場面もあったが、やると決まれば一気に団結。さっそく甲冑をまとい、戦国武将姿に変身。口調も一変、武将になり切った。
向かった先は兵庫県の尼崎城。本戦1回戦で対戦するチーム豊島の大将・豊島将之九段(32)が居を構える地と知ってか知らずか、「この尼崎城を我らが城にしましょうぞ!天下取るんじゃー!」と攻め入った。が、大将は不在だったかあっさり制圧。金色の屏風に囲まれた広間を陣取り、本来の目的でもある「軍議」を始めた。
「協力な軍師をお招きした」という冨田四段の呼びかけで登場したのは黒田五段の師匠・畠山鎮八段(53)。2021年に行われた第1回師弟トーナメントで斎藤慎太郎八段(29)と優勝を果たした実績は折り紙付きだ。さっそく自身の名言(?)の「俺の全盛期、明日」ならぬ「俺の全盛期、ABEMA」の揮毫入り色紙を授け「こういうつもりで行ってほしい!」と激励した。さらに、自身の経験を踏まえて3つの秘伝、「5秒ではなく3秒で指す」「糖分補給」「自信と絆」を伝授していた。
2001年から長く奨励会幹事を務め、今では棋界をけん引するトップ棋士たちをプロとして輩出した実績を持つ畠山八段。「自分が負けたら仲間の対局の場がなくなってしまう。自分が負けるだけでなく、仲間の将棋を指す機会を奪ってしまうというのを肝に銘じて。実績うや実力は他のチームより劣るけど、そのかわり乗り越えたハンデは誰よりも大きい。自信を持って、3人で乗り越えたものを大事にして頑張って。ぜひ優勝を目指してください!」と大舞台を前にした3人の背中を押した。
力強いエールを送られた3人はしっかりパワーを充電。対するチーム豊島は、竜王2期、名人1期を含むタイトル6期の豊島九段をリーダーに、名人2期、棋王1期の丸山忠久九段(51)、王位3期で今期予選で大活躍した深浦康市九段(50)とどこを見ても強豪揃いだが、「再び下克上チャンスじゃ!」とポジティブにとらえている様子だ。最後はさらに勢いに乗るべくメリーゴーランドの馬に乗り込み、「天下統一!日本はわしらのものじゃ!関西魂見せたるで!エイエイオー!」と勇ましく拳を掲げた。
笑いあり、感動ありの3人の様子に、ファンからも「これは関西のノリじゃないとできないですね」「知れば知るほど魅力的な御三方」「いろいろ詰め込んである動画だったw」「ほんと良いチームだな~」「すべてなぎ直して下克上を実現しましょう!」「想像以上の超大作だったw」「ノリノリでしたね」と熱いコメントが多数寄せられていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)