将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント1回戦第1試合、チーム豊島とエントリーチームの対戦が7月30日に生放送された。第1局は、エントリーチーム・冨田誠也四段（26）がチーム豊島・丸山忠久九段（51）に勝利した。
一瞬のチャンスを掴んだ冨田四段が逆転勝利を飾った。振り駒の結果、先手番はチーム豊島に。「丸山先生は後手番で出てこられるかと思っていた」とやや意表を突かれた様子だった冨田四段だったが、「チームに勢いをもたらす将棋を指したい」と勢いよく開幕戦を担った。丸山九段の先手番で対抗形となった本局は、後手は四間飛車を志向。先手は機敏な動きで穴熊を完成させた。先に仕掛けたのは丸山九段。積極的に指し進めてペースを掴んだ。
しかし、丸山九段に待ち受けていたのは“時間”という大敵。秒読みに追われてペースを乱すと、冨田四段は訪れた一瞬のチャンスを活かし勝利を掴んだ。チームにとって大きな先勝をもたらした冨田四段は、「苦しい将棋だった。最後、チャンスを掴めて良かった。△7七香と打って受けにくい形になったかなと思った」とホッとした表情で一局を振り返った。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
