将棋日本シリーズ JTプロ公式戦の2回戦第1局が8月7日、福岡市・福岡国際センターで行われ、永瀬拓矢王座(29)が糸谷哲郎八段(33)に94手で勝利した。次戦の準決勝では、渡辺明名人(棋王、38)対斎藤慎太郎八段(29)戦の勝者と戦う。
今期の日本シリーズもここまでに1回戦の4局が終了。2回戦かたの登場となった永瀬王座は「公開対局ということで、普段見られないところも見ていただけると思うので、仕草などにも注目してほしい」と呼びかけ、1回戦を勝ち上がった糸谷八段は「昨年も福岡対局で、その時は勝たせて頂いた縁起の良い場所。皆さんに楽しんでいただける将棋を指したい」と意気込みを語っていた。
糸谷八段の先手番で始まった本局は、角換わりの出だしから、両者ともにトップスピードで指し進め、解説を務めた豊川孝弘七段(55)を「両者経験があるのでは。こんなに早く指せないですよ」と驚かせていた。永瀬王座は、先手の玉頭を目掛けて攻撃開始。ペースを握ると、一気に飛車を走らせ糸谷玉に迫った。
考慮時間を巧みに使った糸谷八段が、桂馬を成り込む一手で一時は形勢は逆転。しかし、さらに敵陣に成り込んだ竜を活用させて永瀬王座が再逆転し、最後は先手の上部脱出を阻み、投了に追い込んだ。
JTプロ公式戦は前年覇者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者から12人が選出されるトップ棋士たちによるトーナメント戦。持ち時間は各10分、切れたら1手30秒未満、各5分の考慮時間。
(ABEMA/将棋チャンネルより)