将来的に政治家を志す10代から30代の女性をサポートし、次世代を担う女性リーダーの輩出を目指すため立ち上げられたパブリックリーダー塾。男女共同参画担当大臣を務めた野田聖子議員などが講師を務めるほか、チャレンジサポート費用として100万円が支給されるなど手厚いサポートが注目されている。
【映像】女性政治家養成塾の狙いは?村上世彰氏の次女・玲氏に聞く
今回のプロジェクトを主催するのは、日本の社会的課題解決のために活躍する非営利団体への寄付や、助成に取り組む村上財団。8月4日の記者会見で、財団の村上玲代表理事はプロジェクトに込めた思いを語った。
「選挙にチャレンジする女性に政治や選挙に関する学習の機会、そして経済支援、そして参加者が励ましあえるコミュニティーを構築していこうと思っております。普通の女性が選挙にチャレンジすることのハードルを少しでも下げられればと思い、このパブリックリーダー塾を発足しました」
会見では、元候補者の佐藤ことさんが選挙の段階から向けられる世間の目について話した。
「街頭演説をしている最中に『子どもがいるんだったら家に帰って子育てをしていろ』『家のことをまずきちんとやれ』というようなヤジを受けることが1度ではなく複数回ありました。あるいは、そこまでいかなくても支援者の方から『子どもは大丈夫なの?』『家のことは大丈夫?』というような声掛けをいただくときも『こういったこと男性の候補者は言われるんだろうか?』と疑問に思うことが本当に多くありました」
家事・育児は女性がするもの。そして政治家は、生活の全てを捧げなければ務まらない。古い価値観や政治家という職業へのイメージが女性の政治参加の高いハードルとなっている現状がある。村上代表は、政治家の特性に性別は関係がないということを改めて感じたという。
「すでにいろんな方から応募をしていただいて、一部の方からお聞きすると、女性の議員が増えないのは政治家になりたい女性が優秀な女性が少ないんじゃないかという意見もあるんですが今のところそれは全く違うなと応募してくださる方々を見ていて思います」
“物言う株主”として村上ファンドを率いた村上世彰氏の次女である村上代表。村上ファンド事件が連日報じられた当時は小学生ながらショックを受けたというが、世の中を良くしたいという思いで保守的な企業文化に一石を投じた父の信念は受け継いでいるという。
「(世彰氏は)日本の社会でこういったところを直していきたい。特に資金循環があまり良くないということで、企業の資金循環を良くするという活動をずっとしていた。その目的はやっぱり日本の社会が経済的に成長するためには資金循環を良くする。そういった思いがあって活動してきた姿を見て、私もやっぱり日本の社会を良くしたいという思いは海外に住んでいてもいまだにあるのかなと思います」
海外での生活が長い村上代表は、優秀な人材が埋もれたり、海外へと流出したりしないよう環境を変えていかなければならないと主張する。
「海外のスタンダードがいつも正しいというわけではないと思うんですが。日本に住んでいる女性はあんまり気づかれてないかもしれないですが、比較する機会がないので。ただすごく住みづらい国になってしまっていて、若い女性、私もそうですけど海外に出た方が住みやすいんじゃないか、仕事もしやすいんじゃないかと思われる方が増えてきてると思います。なのでそういった部分はすごく優秀な人材、女性が減ってきてしまいますし、力をちゃんと発揮できないような環境は変えていかなきゃいけないのかなとに強く思います」
そんな村上代表が描く、政治の理想の未来像を聞いた。
「女性だから女性関連の政策をするんではなく、本当に女性議員が半分になった時には関係なく議会が多様なので政策が多様化する。それは女性絡みの政策だけでなく、経済政策においても新たなアイディアが入ってきたり、外交においても違うアイディアが入ってきたりという状態に社会がなっていくと思うので、そこまで村上財団はそういった社会を実現するところまで頑張っていきたいなと思っています」
(『ABEMAヒルズ』より)
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