今年4月に開催された「全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト」。全国から計41チームが出場し、AIを活用したビジネスプランについて、学生たちが工夫を凝らしたプレゼンを行った。
【映像】企業評価額10億円を獲得したビジネスプラン「D-Walk」
そして、見事頂点に輝いた岩手県にある一関工業高等専門学校の「Team MJ」。彼らが発表した「認知症の予防」に関するビジネスプランには、企業評価額10億円。宝くじにあたったような高額な企業評価額が示された。
Team MJが発表した「D-Walk」は、腰に取り付けるスマートフォンと足裏に装着するインソール型のデバイスを使って、認知症の前段階であるMCI(=軽度認知障害)の兆候を検知するシステムだ。
簡単に検査できる仕組みなどが評価され、投資家から10億円という企業評価額をつけられ優勝した。
そんな「Team MJ」をニュース番組『ABEMAヒルズ』が直撃。10億円という評価額について、メンバーの3人に話を聞いた。
石井さん「自分たちの事業がこういう風にお金になって評価されるっていうのは嬉しかったです」
佐藤さん「三人で力を合わせられたからこそ得られたものだと持っているので、その分1人でやる時よりも絶対喜びとしては大きかったです」
菊地さん「額面だけ見てもすごい圧を感じますし、それに伴って責任もあると思うのでそこらへんはすごくプレッシャー」
「D-Walk」には、ディープラーニングの技術が使われており、認知症患者特有のすり足やふらつきに着目したTeam MJの3人は、一関市の高齢者100人から集めた歩行データなどをもとに「歩く」という動作から“認知症になる可能性を予測するシステム”を構築した。
通常、MCIの診断には数万円程度かかってしまうものの「D-Walk」は、毎月の利用料金の数百円程度に抑えられるという。また、歩くことを習慣づけることで認知症の予防にもつながるとしている。
そんなD-Walkを使ったビジネスモデルについて、メンバーの石井さんはこう話す。
石井さん「保険会社さんが販売している『認知症保険』に加入している被保険者の方に『D-Walk』を無償で提供します。無償で提供して、その利用料を保険会社さんから頂くという形になっています」
コンテストで獲得した賞金100万円などをもとに、早ければ今年中にも起業したいと話す「Team MJ」。2025年には、国内700万人にまで膨れ上がると言われる認知症患者。市場自体が膨れ上がることで競合他社も多くなっている「ヘルスビジネス業界」について、石井さんは「その中でもやっていく自信はある」と今後の展望を教えてくれた。
石井さん「競合が多い中でも、今回のように歩行からMCIを検出するというのはなかなか無い技術だと思うので、技術的なところに関しては自信があります。『学生のうちに起業してみよう』という思いで、とにかくやってみようという気持ちです」
(『ABEMAヒルズ』より)
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