将棋の藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)への挑戦者決定三番勝負第2局が8月23日に行われ、広瀬章人八段(35)が山崎隆之八段(41)に勝利した。三番勝負を2連勝で飾り、藤井竜王への初挑戦が決定。終局後の記者会見では家族への思いを聞かれ、「良い刺激になっている」と笑顔を見せた。
目指すは“パパ”として竜王復位。広瀬八段が2019年度以来となる竜王戦七番勝負の舞台に再び上がる。山崎八段との挑戦者決定三番勝負第2局は、長い中盤戦から大熱戦となった。山崎八段の独特の指し回しを、広瀬八段が辛抱強く対応。穴熊を指し慣れているからこその絶妙な距離感で、大きな一勝を掴みとった。
終局後の会見では、七番勝負で対戦する藤井竜王の印象について「今更私が語ることでもないですが、終盤が強いのは相変わらず、序中盤で出遅れることもなくなってより一層完成度が上がってきている」と語った。対策については「これから」としたが、「藤井竜王と番勝負を戦うのは初めてで、光栄だが厳しい相手というのは変わりない。挑戦者の私がなんとかシリーズを盛り上げないといけないと思っている」と引き締まった表情を見せていた。
そんな広瀬八段の表情が緩んだのは、家族についての質問。2019年に第一子が誕生したことを明かしており、今年8月13日に生放送された第5回ABEMAトーナメントでも「最近、子供がついに『パパ』って言えるようになったんです。(カメラに向かって)見てる!?」と呼びかける微笑ましいシーンも記憶に新しい。竜王挑戦を決めた本局の終局は22時26分と深夜だったため、「(家族が観戦していたかは)わかりません。子どもは寝ている時間なので(笑い)」とそれまでの緊張感が緩み、顔をほころばせた。
「前回の竜王戦と比べて、家族が増えたことは明らかに変わったところで、生活も非常に変わった。大変なこともあるが、良い刺激になっている。家族のために頑張るようにしています」。優しくも強い思いを込めた広瀬八段の語り口に、ファンからは「パパ頑張って!」「パパ竜王見たい!」「かっこいいなあ」「幸せだな」「めちゃくちゃ応援してます!!」と多くのコメントが寄せられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)