右下からえぐる強烈なアッパーで一撃。開始直後の目が覚めるような衝撃的なKO劇に視聴者からは人気漫画『はじめの一歩』にちなんで「千堂のスマッシュみたい」といった驚きの声が殺到した。
8月27日にシンガポールで開催されたONE Championship「ONE FIGHT NIGHT 1」ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)vs ユーリ・ラピクス(モルドバ)の一戦は、1ラウンド開始57秒での“秒殺”決着。カデスタムが低い位置から突き上げる強烈な右アッパーでド派手なKO勝利を収めた。
元ウェルター級王者のカデスタムと、ライト級からウェルター級へと階級を上げてきたラピクスとの対戦は、カデスタムの体重超過のためキャッチウェイト戦に変更。試合はわずか1分あまりの中でド派手な攻防が高いレベルで凝縮された魅せる試合となった。
試合開始とともにラピクスのハイが空を切ると、カデスタムが一気に距離を縮め右ストレートから跳びヒザ。これをラピクスがキャッチしてテイクダウン。カデスタムがケージを使って立て直すと、再びスタンドでの攻防。ラピクスが2度右のオーバーハンドを見せるが、カデスタムはすんでのところで避ける。一発当たれば…というスリリングな展開だ。
すると、結末は突然訪れた。両者フェイントをかけながら一定の距離を保ち、一発を狙う仕草。一瞬、ラピクスが頭を下げ次の動作に入った瞬間、そこに合わせるようにカデスタムが低い位置から右のアッパーをズドン。「ゴツン」と硬い音とともにラピクスが後方に崩れ、大の字で失神。一瞬の衝撃KO劇に視聴者は「完璧すぎるタイミング」「ワンパンだった」「お手本のようなアッパー」など興奮。中には「千堂のスマッシュみたいだ」と『はじめの一歩』の千堂武士の必殺技スマッシュを想起させたという書き込みまで見られた。
劇画の超低空とまでは行かないが、下からえぐってズドンの芸術的な右アッパーは視聴者にも大きなインパクトを残したようだ。