藤井聡太竜王がベスト8に進出 元棋王・久保利明九段に勝利 年度内六冠へ前進/将棋・棋王戦本戦T
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 将棋の棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定トーナメント3回戦が9月1日に指され、藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が久保利明九段(47)に勝利した。藤井竜王はベスト8に進出。次戦は準決勝進出をかけて、豊島将之九段(32)対阿久津主税八段(40)戦の勝者と戦う。

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 棋王初挑戦、六冠獲得へ、藤井竜王がまた一歩近づいた。本局では、棋王3期の経験者で振り飛車党の第一人者でもある久保九段と対戦。先手の藤井竜王の居飛車に対し、久保九段は四間飛車の対抗形となった。久保九段は序盤から趣向を凝らし、深い研究をのぞかせていた。対する藤井竜王は持ち時間をたっぷりと使って後手の構想を探り、丁寧な受けを見せた。

 しかし、先手も受けてばかりはいられぬと攻防の一手となる角打ちから、藤井竜王がやや優位に。久保九段は相手の言いなりにはならないと桂取りを構わず、45分の考慮時間を使って銀を上がる勝負手を繰り出した。「捌き」に加えて「粘りのアーティスト」との異名を持つ久保九段。激しい攻め合いの中でじりじりと距離を詰め、一時は互角にまで押し返した。猛追で藤井竜王に迫ったが逆転とはならず、最後は藤井竜王が後手を振り切って勝利を掴んだ。

 強敵・久保九段を破った藤井竜王は、ベスト8に進出。局後には「(後手に)仕掛けられて、こちらの対応もいろいろ考えられるかなと思っていたのですが、いい指し方がわからなかった。本譜は良くない順を選んでしまったのかなと思います。角を打たれた局面は苦しくなってしまっていると思っていた。本譜が進んで(最終盤の角打ちから)玉を引いた形で行って耐えているのかなと思った」と振り返った。

 一方、本戦敗退となった久保九段は、「最後、もうちょっとあったかなといろいろ考えていましたが、よくわからなかった。中盤の入りから終盤の入りまではまずまずと指せたかなと思っていましたが、着地がよくわからなかった」と話した。

 現在五冠を保持し、将棋界の頂点に君臨する藤井竜王だが棋王戦は挑戦経験がない。今年度、五冠を防衛して棋王初挑戦から奪取を果たした場合は最年少で六冠達成とあり、注目度はさらに高まる。次戦は準決勝進出をかけて、豊島九段対阿久津八段戦の勝者との対戦が予定されている。「棋王戦はこれまでなかなか上に進めていなかったので、この機会を活かせるように頑張っていきたいと思います」と意気込みを語った。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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