娘のために8年“代理婚活”「少しでも出会いの場を」 親同士が先に“意気投合”するメリットも?
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 8月29日、京都市内で行われたのは、子どもの結婚相手を探す親のための「代理婚活パーティー」。独身の息子を持つ80人、そして娘を持つ76人の親が参加。子どもの年齢は20代から50代とさまざまだ。

【映像】「代理婚活パーティー」の様子

 あるテーブルでは、「(息子は)ずっと社会人野球でお世話になっていて」「(娘も)高校の時にソフトボール部に入っていたので、野球を見るのも好きで」と、なにやら好感触。親同士が意気投合すれば、子どもの写真とプロフィールを交換。それを子どもに渡し、本人が実際に会うかどうかを決めるというシステムだそうだ。

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 この代理婚活パーティーを主催しているのは、一般社団法人「良縁親の会」。2005年から全国各地で570回以上開催され、参加者はのべ4万人以上にのぼる。参加を希望する親の数は年々増えているという。

 再び注目を集める、親が積極的に関与する結婚のカタチ。8月31日の『ABEMA Prime』は「良縁親の会」の宮越法子代表と当事者に話を聞いた。

■「出会いの機会が一度でも多くなればと」

 参加者の傾向について、「割合としては、子どもを見ていて“どうしても今ちょっと口を出さないと”という親がやはり多い。一方で、子どもさんの方から“ちょっと行ってきて”とお願いするケースがこの頃出てきたように思う」と話す宮越氏。

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 実際に子ども同士が会う場合には、「親御さんの同席はルール化していないが、成婚される方のほとんどがまず同席している。コーヒーを一杯飲む20~30分の間に、“この間はありがとう”というかたちで盛り上げて、あとは本人同士」だという。

 「良縁親の会」への参加歴は約8年で、長女が代理婚活で3年前に結婚したタカハシさん(仮名)。「娘が大学の時も、就職してからも結婚できるようなお相手に巡り合えなかった。28歳ぐらいになって、出会いの機会が一度でも多くなればと思って出席することを決めた」と明かす。

 長女は代理婚活について、「最初から前向きで、“すごくよかった”と。その会に私が出たことによって今の夫とのご縁がつながっているので、とても喜んでいる」そうだ。

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 親同士が子どもの婚活に関与していくメリットはどこにあるのか。「昔であれば、年頃になると親戚やご近所、あるいは職場の方からお話をうかがったり、“どうですか?”と聞いてくださったりすることもあったと思うが、今は大学か職場でなければほとんど知り合えない。職場も高齢の方ばかりだと相手を見つけられないし、趣味のサークルのようなところでお付き合いすることがあっても結婚に至る相手に出会えないことは多いようだ。やはり少しでも窓口が広がるということが望ましいと思っている」。

 ある意味では両家が“合意”した状態からスタートするわけだが、宮越氏は「第1子が生まれた、何年生になったというのはけっこうあるが、離婚は本当に聞かない。親御さん同士だから、“この親御さんの娘さんなら”“息子さんなら”ということがわかるのだろう」とした。

■親の“おせっかい”は必要? 過干渉にならない?

 一方、親同士が関わることで過干渉になることはないのだろうか。宮越氏は「“私たちが見つけてきた相手なのになんで断ったの?”“なんで断られたの?”“何であんないいお嬢さんを断ったの?”など、いろいろなプレッシャーはあると思う。その裏には、“あなたのそこがいけないのよ”ということも隠されていて、結婚するまではそういうことがある」と明かす。

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 プロデューサーで慶応義塾大学特任准教授の若新雄純氏は「結果的にうまくいく素質を持った人も、最初のきっかけがそんなにうまくセッティングされないこともあると思う。おせっかいは社会のコミュニケーションの潤滑油として、人によってはめちゃめちゃ必要だったり、機能したりすることもあり得る」との見方を示す。

 制度アナリストの宇佐美典也氏は「婚活はすごく残酷なシステム。標準的なものは女性と男性が話をして、男性側がぐるぐると回っていくが、10人ぐらいいたら2、3人に人気が集まって、7人はずっと負け続ける。そんな不快な思いをしてまで結婚相手を見つけるという努力をしたくないという人がシステム上、絶対に出てくる」とした上で、「そういう時におせっかいしてくれる人がいないから、親が出てこなきゃいけないという状況が生まれるのは必然だと思う。“状況は整えるから頼むよ”“我が家の存続のために”というのはまさに親のエゴだけど、そのシステムはけっこう重要かなと思う」と述べた。

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 テレビ朝日平石直之アナウンサーは「両家円満であれば子育てはだいぶ回る。それぞれの両親4人でサポートしてくれるのが前提になればやりやすいのは間違いないので、結婚後に“破綻しない”という意味でのベースになることもなくはない」と話した。(『ABEMA Prime』より)

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