画像生成AIで“1億人いらすとやさん”に!? 著作権の行方は? 「AIが作ったことを隠す人が出てくる」懸念も
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 この夏、立て続けに発表された「Midjourney」と「Stable Diffusion」という画像生成AIサービス。幻想的な世界観に繊細なタッチ、写真と見まがうほどリアルなものまで、ほしいイラストに関するキーワードを打つだけで、約50億枚の画像を学習したAIが数分で描き上げてくれる。

【映像】画像生成AIが実際にイラスト作成する様子

 「Midjourney」は1つのアカウントで画像25枚まで、「Stable Diffusion」は無制限に無料で利用できるという。一方で、ネット上では「AIが学習したモノと作ったモノ…似てたりしたら模倣になる?」「AIのイラストって著作権は誰がもつの?」など、著作権のあり方を問う声も。

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 6日の『ABEMA Prime』は、最新画像生成AIとその裏にある課題について専門家に聞いた。

 AIの権利問題に詳しいSTORIA法律事務所の柿沼太一弁護士は「AIが作ったもの1個1個に著作権が発生してしまうと、人間が描く余白みたいなものはどこにあるの? という話になる。スピードと量というのはすごく重要なキーワードだと思う」として、問題を2点指摘する。

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 「1つは、どういう時に著作権が発生するか。人が具体的に指示をする時に初めて著作権が発生すると言われているので、単語を入力してポチッと押すだけでは発生しないと思う。もう1つは、人の作品に似たものが出てきた時に侵害やパクリに該当するのか。この責任を誰が負うかというと、おそらくAIに指示して制作した人がまずベースかなと思う。あとはツールを提供している事業者。一方で、これまでどこにもなかったものを新しく生み出した場合は、責任は生じようがない。ここはすごく難しい問題だし、サービスが広がっていくかどうかの決め手になってくる」

 先月、「第150回 コロラド州品評会」のデジタルアート部門で、「Midjourney」が描いた作品が1位を獲得し、アーティストらが激怒する事態になった。「AIがクリエティブな仕事の死を早めている」という非難や、Twitter上にもAIに仕事を奪われることに危機感を覚える声があがった。

 AI研究者の清水亮氏は「“AIは危険なんじゃないか”と考える人は、AIにあまり詳しくないのかなと思う。ピカソがいるからピカソっぽい絵が、岡本太郎がいるから岡本太郎っぽい絵ができるのであって、彼らになることはできない。創作物は、その人が生きてきた中で辛かったことや楽しかった体験から表現しないと、人を感動させるようなものは作れないと個人的には考えている。僕の周りにいる本気で戦っている人たちからすると、AIはいつまでたっても補助的なもの。逆に、AIから自分が刺激を受けて創作にもう1回フィードバックすることで、“一緒に作る”ことができそうだという話を最近聞く」と明かす。

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 柿沼氏は「法律の世界での問題として、AIが作ったことを隠して“自分が作った”と言う人が絶対に出てくると思う。それに対してどう対応するかという答えは出ていない。また、クリエイターから見ると“自分がパクられる”という恐怖感はあると思うが、AIが生成したものが先に大量に生み出されてしまって、似たものを作ったらアウトになってしまうとか。あるいは、著作権がないイラストが大量に出て、“1億人いらすとやさん”のようなことになると、自分がお金をとれるのかと不安に思う部分は出てくると思う」と懸念を示した。(『ABEMA Prime』より)

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