孤独死への恐怖から30代で“終活”「希望が持てるように」 EXITりんたろー。「死と向き合うことで生の在り方が変わるんだ」
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 神奈川県横須賀市にある倉庫、暗闇の中には四角い箱がずらっと並ぶ。ここは横須賀市が管理する無縁納骨堂。単身者で身寄りのない人が亡くなった場合、火葬し、市役所職員が遺骨の引き取り先を探す。それでも行き先が見つからない遺骨が、最終的にたどり着くのだという。

【映像】横須賀市が管理する無縁納骨堂

 無縁とはいえ、もともとは名前のわかっている住民。横須賀市民生局福祉専門官の北見万幸氏は「今だいたい150~200柱くらいかと思われる」「身元がわかっている市民なので、亡くなる前に『どういうふうにしたいですか?』『どこかにお墓あるんでうすか?』って聞いてあげれば、(行き先は)違っていた可能性は高い」と話す。

 そんな思いから横須賀市が始めたのが、エンディングプランサポート事業だ。「(無縁で亡くなる)可能性のある人を中心に、事前に相談に乗って、最低基準の葬儀のお金を先に契約で葬儀屋に払ってもらう。市役所は亡くなるまで訪問を続けて、亡くなったら火葬に立ち会って納骨にも立ち会うというプランだ」と北見氏。このサポートにより、身寄りがない住人の4人に1人が望んだ最期を迎えられたという。

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 孤独死というと高齢者の問題だと思われがちだが、実は4割は20代から50代の現役世代だ。25歳のあおいさんは孤独死に対して不安に思う1人。「若い世代の孤独死みたいな特集が動画で流れてきて、年齢の近い方がすごく悲惨な状態で見つかったりしているので」。

 不安に思うのにはある理由がある。「家族と死別して身寄りがなくなってしまった。でも、一人暮らしは続けなきゃいけないということで孤独死を考えるようになった。てんかんを患っていて、お風呂に入っている時とか浴槽でてんかん発作が起きると溺れて死んでしまう人も多い」。

 対策として、あおいさんはすでに見守りサービスを導入している。「毎日だったり2日に1回だったり、指定した時間に向こうからLINEが来る。OKを押したら安否確認ができたというシステムだ。2日ぐらい私が反応しないと第三者の方に連絡がいくので、すごく安心した」。孤独死が怖い、そんな若者が増えている。

■EXITりんたろー。「死と向き合うことで生の在り方が変わるんだ」

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 映像ディレクターのナカジマさんは、体調を崩した際に孤独死に危機感を抱き、30代で「終活」を開始した。「東京で一人暮らしをしていて、過労で倒れてしまった。家だったので救急車は自分で呼べたが、身寄りがまったくいない状態。両親とは頻繁に連絡は取っておらず、連絡を返さなくても“仕事が忙しいんだな”というふうに処理されていたので、1週間ぐらいあいても不安にならないだろう」と話す。

 30代で福井の実家に戻ったナカジマさんだが、「そこで狭心症になってしまって。それがコロナ感染時の死亡率が高いと聞いていたので、さらに死に対しての不安が高まった」という。

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 終活として行っているのは、エンディングノート、遺影の撮影、使用していない不要なものの整理、知人の連絡先の整理・確認、SNS等の整理など。「(エンディングノートには)とりあえず緊急連絡先。スマホのパスコードをあけることを考えると、ノートが一番わかりやすいかなと。肌身離さずに持っていて、その時その日の思い、日記のようだがそういうことを書いている。(遺影の撮影は)名目上はプロフィール写真やSNSのアイコンというかたちで撮っている。写真を1枚見た時に“ナカジマさんっぽいな”と思ってもらえればいいと思うので、必ず毎年1枚(更新)している」。

 終活を始めたことによって、心境に変化はあったのだろうか。ナカジマさんは「倒れた時は“このまま孤独死するんじゃないか”という恐怖はすごくあったが、エンディングノートを書いたり写真を撮ったりしていると、意外と恐怖感がなくなってくる。自分の将来性というか、プランみたいなものが作れてきた。かつ、“1日1日を後悔のないように生きよう”というちょっとした希望が持てるというか。“死のゴール”みたいな先のことまでは実はあまり考えていない」と明かした。

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 こうした話にEXITのりんたろー。は「この話題を取り上げる時、“未来にあふれている人たちが終活なんて言わないでくれよ”という気持ちだったのが、ナカジマさんの話を聞いたら、死ときちんと向き合うことで生の在り方が変わるんだという。そこは気づきというか、すごく興味がわいてきた」と語る。

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 相方の兼近大樹は「僕はずっと“今日死んでもいいや”で生きてきて、いまだに“明日死んでもいいや”でやっている。そう思うと、すごくいろんなことに活動的になるし、今日死ぬんだったらこれやっとけばいいじゃんとか、躊躇していたことをやっちゃえば?みたいに自分との対話ができる。そうすることで明日につながって、また次の日につながって、自分が楽しくいるためには何がいる・いらないのか、捨てるもの・欲しいものがわかりやすくなってくる。ただ、“死んでもいいや”が行き過ぎると危ない方向に行くので、バランスはすごく重要だとは思う」と述べた。(『ABEMA Prime』より)

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