副業やギグワーカーなど、終身雇用に囚われない自由な働き方が増える一方「自分には無理だ」と諦めている人も多いのではないだろうか。自由に働くためには何が必要か。多彩な働き方をしている小説家に話を聞いた。
今年の8月、ネットで活躍する歌手とそのファンが織りなす物語を描いた小説『匿名』で、作家としてデビューした柿原朋哉さん。柿原さんにはもう一つの顔があります。それが、YouTuberだ。チャンネル登録者数140万人、二人組YouTuber『パオパオチャンネル』の”ぶんけい”として活動してきた。さらに、個人でも映像制作会社の社長を務めているという。
二足ならぬ三足のわらじを履く“パラレルキャリア”を地で行く働き方をする柿原さんは、なぜこんなにも自由に働けるのだろうか。その秘訣を聞いた。
柿原さん「例えば映像の会社を作ると決めたときは“映像の世界”のことしか考えてないし、YouTubeを始めるというときは“YouTubeの世界”でどうなるかしか考えてないです。それで今は小説を初めて書いて出版した直後なので、小説の世界でどんどん大きくなれたらというのが今の目標です」
そのとき、そのときの仕事に全力で取り組むうちに、気が付けば様々な仕事に挑戦していたという柿原さん。その原点は大学時代にある。兵庫県出身の柿原さんは、映像を学ぶため京都の大学に進学。しかし、3年生の夏、就活の時期になっていくにつれて「どうしていこう?」という不安がおおきくなっていったという。
柿原さん「(就職すると)自分のさじ加減でどうにもできない問題があるよなと思ってたんです。まだ若かった僕は、そこに納得できなかった。今一緒に仕事している岡田くんとの会話で『就活する元気もないし行きたい場所もわからないんだけど、どうしたらいいと思う?』と聞いたときに岡田君が『じゃあ、会社とか作ってみるのどう?』と言ったのがきっかけでした」
こうして大学を中退した柿原さんは友人と後輩、三人で映像制作会社を起業。並行してYouTuberや広告プランナーとしても活動した。積極的に活動する中で、恐れを感じることは無いのだろうか。
柿原さん「(恐れは)ありました!『会社作ったらいいじゃん』って無邪気に言われたとき『いやそんな怖いこと出来ないよ』と思っていたのですが、調べていくにつれて、ちょっとずつ無くなっていったんですよ。その恐怖」
「会社をつくるとかYouTubeを始めるって、世の中的には挑戦になると思うんですけど、僕の場合は“自分で会社を作って、自分で納得できる”方が頑張れる。燃えるなと思いました」
パーソル総合研究所の調査によると、現在の会社員が副業したい理由として、収入面以外に「活躍の場を広げたい」「本業には無い経験を得たい」「副業で好きなことをやりたい」という声が多数上がっており、一度就職した後も、新しいことに挑戦したいと思う人は多いことがわかった。
それでも『挑戦が怖い』という人へ何かアドバイスがないか聞くと、柿原さんは「スモールスタートをするのがおすすめです」と語った。
柿原さん「スモールスタートをするのがおすすめです。リスクが無いスタートをすれば失敗しても良いと思えるのです。上手くいかなかったら、何でうまく行かなかったのかを考える分析の場数を増やしていくとどうすべきか見えてくる“いきなり大きな挑戦をしないようにするのがズルい正攻法”だと思います。まずは、一歩進んでみてそこに何があるかを確かめるのがいいと思います」
(『ABEMAヒルズ』より)
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