当たれば一発で倒れるスーパー・ヘビー級対決は、1ラウンド開始1分の猛ラッシュで圧巻のKO結末。ファンの期待に応える重量級決戦となった一方、試合後に勝者がとった敗者への振る舞いを受け、批判の声が上がるなど、試合内容からは一転、少し後味の悪い結末となった。
9月11日に横浜アリーナで開催された『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN ~よこはまつり~』。シナ・カリミアン(イラン/POWER OF DREAM)と実方宏介(真樹ジムAICHI)のスーパー・ヘビー級対決は、1ラウンド81秒、身長差を生かしたパンチの嵐から刺すような左ストレートでカリミアンが圧勝。しかし、試合後に実方に対してとったパフォーマンスでブーイングを浴びることとなった。
重量級クルーザー級王者のカリミアンが、さらに重いスーパー・ヘビー級契約で挑んだ試合。前日軽量から両者ピリピリムードだった対決は、現役王者がその上の階級でも圧倒的な差を見せつける内容となった。
1ラウンド開始直後、前に出るカリミアンは、前蹴りを多用しつつ実方へ圧をかけていく。すると開始40秒、剛腕を振り回すカリミアンのラッシュに動きが止まる実方。さらに強烈なボディへのヒザを叩き込むと、両手をついて最初のダウンを喫した。
なんとか気持ちを奮い立たせ、立ち上がった実方だが、相手のカリミアンは勝利を確信したか、ロープに登り相手を見下ろす高みの見物状態。試合再開後、ローを飛ばす実方。対するカリミアンはブレイク間もないタイミングで不意のパンチを浴びせると、さらに左ストレートを一閃。実方がゴロリと天を仰ぐと、試合終了のゴングが打ち鳴らされた。
試合終了でノーサイド。と思いきや、ここから一波乱。ダウンを喫した実方に覆いかぶさるようにカリミアンは両手を広げ「どうだ」と誇らしげにアピールすると、さらに腰を落とした実方の頭を撫で撫でする屈辱的な態度をとった。
「まだできる」といった様子で落胆する実方に対し、傷口に塩を塗るようなカリミアンの行動。これに対して、ABEMAの視聴者も反応。「おいおい」「めちゃくちゃ煽ってる」「ちょっとリスペクトが足りない」など、厳しい意見が殺到した。
上の階級でも相手を寄せ付けない強さを見せたカリミアン。最後には健闘を称え合ってハグしたものの、圧巻の試合内容に反して「強いけど人間として好きになれない」「勘違いは甚だしい」「この階級世界にはもっと強い奴がいる」など勝者の振る舞いに対するブーイングも飛び交っていた。