結婚しても子どもはもたない。そもそも結婚するつもりはない。少子化の加速が懸念されるなか、若者世代の意識が大きく変化していることがある調査結果でわかった。
国立社会保障・人口問題研究所が発表した「第16回出生動向基本調査」の結果についてTwitter上では、「色んな意味で余裕がないからでしょ」「多様性を認める人が増えたとするとむしろ喜ばしいことなのでは?」などとさまざまな意見が飛び交っている。
18歳から34歳の未婚者の中で、「結婚したら子どもをもつべき」と考える未婚男性が55%、女性は36.6%と6年前の前回調査から大きく減少。女性に関しては、ほぼ半減という衝撃の結果となった。
この若者の急激な意識の変化について、理想の数だけ子どもを産める社会の実現に向けた活動を続ける、公益財団法人1more Baby応援団の秋山開専務理事にその背景を聞いた。
「前回の出生動向調査が2015年。それ以降、『保育園落ちた日本死ね!!!(ブログ)』だとか、待機児童問題をはじめ、日本の子育て環境に厳しい社会課題が大きくニュースとして取り上げられてきた。そのことによって、今まで子育て世代だけが感じて終わっていたものが、ニュースを通じて他世代、若年層も多くの人が知ることになった」
個々のライフスタイルを重んじる社会に近づいているというポジティブな要素が数字に影響しているとしつつも、やはり、子育ての環境が厳しいという印象を強く持っている人が多いと秋山さんはみている。
今回の調査では、そもそも「一生結婚するつもりはない」と答える男女が過去最高となり、結婚の意思がある人でも、希望する子どもの数の平均はすべての年代で男女ともに“2人”を下回った。
「子どもを産むことで自分は何を失うんだろう、キャリアを失うのか、時間を失うのか、それとも金銭的な問題で自分は厳しい状況になっていくのか、そういったところを天秤にかけて考えているわけですね。本来であれば、子どもをもつことによって、それを希望する人がプラスになるような社会になっていかなければならないものの、それがなっていないというところが大きな要因だと思います」
秋山さんは、子どもを持つことのポジティブな面の発信とともに、いまある制度を活用できる社会の実現が少子化の歯止めには不可欠だと話す。
「男性の育休制度は国連から世界一の制度であると言われています。その一方で、利用率が非常に低いことも特異的だと指摘されている。子育て世代だけが制度の恩恵を受けるのではなく、従業員全体、社会全体、例えば子育て世代であれば育児期においては仕事量をセーブできる、就労時間をセーブできる。それ以外の方々にとっても介護の時期、学び直しの時期、そういった個人の都合に合わせて働き方を柔軟に変えられる社会を作り上げることで、子育て世代の方も制度を利用しやすくなるんではないかと考えている」
(『ABEMAヒルズ』より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側