将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント準決勝第2試合、チーム渡辺とチーム斎藤の対戦が9月17日に生放送された。決勝進出に向け重要な第1局は、チーム渡辺・近藤誠也七段(26)対チーム斎藤・佐々木勇気七段(28)が激突。佐々木七段が終始ペースを握って快勝を飾り、チームに嬉しい先勝を持ち帰った。
開幕戦は、両チームのエースが登場する華々しい対局となった。公式戦での対戦は3局。今年8月の順位戦B級1組4回戦を含めて佐々木七段が2勝、近藤七段が1勝している。先手番となった佐々木七段は、「公式戦でも対局が多い。(近藤七段は)筋が良くて手厚い将棋を好む棋風。自分の得意戦法をぶつけていきたい」と、角換わりを志向。後手の早繰り銀に対し、先手は腰掛け銀に構えた。
今期のABEMAトーナメントで6勝6敗、全12局を経験している佐々木七段。本戦1回戦、2回戦ともにチーム勝利を決める大一番を制し、修羅場をくぐり抜けてきた。本局でも積極的な姿勢で攻撃を仕掛け、早々にペースを握った。しかし近藤七段も簡単には倒れない。冷静な指し手で攻め合いとなったが、佐々木七段はリードを拡大。近藤七段に力を発揮させない展開へと持ち込み、後手は攻防ともに見込み無しと見て投了を告げた。
先勝を飾った佐々木七段は「緊張したわりには伸び伸び指せた」とホッとした表情。手痛い黒星発進となった近藤七段は「つまらない将棋にしてしまって、チャンスが少なかった。1回戦に続き、自分が立候補したのに負けてしまって申し訳ない」と肩を落としていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)