将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント準決勝第2試合、チーム渡辺とチーム斎藤の対戦が9月17日に生放送された。チーム斎藤の2連勝で迎えた第3局は、チーム斎藤の木村一基九段(49)が敵将・渡辺明名人(棋王、38)に勝利。3連勝と決勝進出に大きく近づいた。
チームの好調の波に乗り、木村九段が超重量級対決を制した。先手の木村九段は雁木、渡辺名人は矢倉の出だしから、じっくりとした持久戦へと進行した。角交換からいよいよ開戦。先に抜け出したのは木村九段だった。一手一手が重量級の激しい撃ち合いに。長く険しい中盤戦はねじり合いとなり、木村九段がじわじわとリードを広げた。終盤では渡辺名人の猛追を振り切り、そのまま勝利。解説の屋敷伸之九段(50)も「木村九段の会心の一局だった」とコメントしていた。
チームメイトに続き、自身も勝利を飾った木村九段は「難しい内容でしたけど、良かったです」と嬉しそう。一方、対局前に「隣(の控室)から拍手とか聞こえてくるからさー!一発、怒りの勝利を持ってくる!」と意気込んでいた渡辺名人だったが、自身の黒星でチームは3連敗。大ピンチの戦況に「どうするんスかね…(苦笑)。開き直って、ひとつずつ返していくしかないですよね」と苦しそうな表情を見せていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)