将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント準決勝第2試合、チーム渡辺とチーム斎藤の対戦が9月17日に生放送された。チーム斎藤が第1局から3連勝して制して迎えた第4局は、チーム渡辺・近藤誠也七段（26）が相手のリーダー斎藤慎太郎八段（29）に勝利した。チームの連敗を食い止め、個人としても黒星が続いていたところで待望の勝利。ここから試合の流れが大きく変わるか。
近藤七段の先手番で始まった一局は角換わりに。攻めの近藤七段、受けの斎藤八段という棋風通りに、斎藤八段が強くの受けで引き込むような序盤となると、近藤七段も迷わず攻め一直線。どこまで攻めがつながるかが焦点となる戦いになった。
2筋を中心に大駒、小駒と戦力を集中して斎藤陣の攻略を徹底した近藤七段は、そのまま突破に成功し終始リード。強烈に食い破るような攻めが続き、最後まで押し切った。対局後、近藤七段は「まずは1勝できてホッとしています。ちょっと無理気味ですが、攻めが続くかという将棋でしたが、勝負勝負と行きました」とにっこりと微笑んだ。
また、解説を務めた屋敷伸之七段（50）は「積極的に近藤七段が仕掛けていった。フィッシャールールですと、攻めがつながると受け止める方が大変。さすがの斎藤八段も巻き返せない流れになりました」とコメント。少し元気のなかったチーム渡辺にとって、勢いづく白星になったことは間違いない。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
