9歳息子と一緒に「確定申告」 親子でNFTアーティストとして活動する草野絵美が起こした「新星ギャルバース」の魅力
NFT「新星ギャルバース」とは
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「私自身は本当に器用貧乏なんです。一つのことを極められない自分をコンプレックスに思っていました。しかし、NFTに出会ってからはそんな私の“多動力”みたいなものが良い形で発揮されています」

「(NFT)で私が楽しいと思うことは、才能がある方と一緒にお仕事できることが一番の喜びです」

【映像】“売り上げ世界一“  NFT「新星ギャルバース」とは

こう話すのは、いま「NFTアーティスト」として注目を集める草野絵美氏。株式会社「Fictionera(フィクショネラ)」代表で、東京藝術大学で非常勤講師もする傍ら、共同で創業したNFTプロジェクト「新星ギャルバース」を発表後、24時間の取引総額で世界一を達成した。

また、草野さん本人は2児の母でもあり、9歳の長男は「Zombie Zoo Keeper(ゾンビ飼育員)」という名義でNFTアーティストとして活動。作品が“数百万円”で流通するなど、NFT業界で話題になっていた。

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 ニュース番組『ABEMAヒルズ』は、そんな「NFTアーティスト」して親子で活躍する草野絵美氏にNFTの魅力や乱立するNFTプロジェクトについてどう見るかなど、話を聞いた。

■日本とフランス、NFTに対する考え方の違い

徳永:先週、フランスでのNFTイベントにも登壇されたそうですね。そこでパリの国立公文書館に展示されたNFTをご覧になったとお聞きしました。どうでしたか?

草野:フランスの国立公文書館でナポレオンの時代からあった博物館にアールデコの家具と一緒にメタバースの家具が飾られているんですよ。国もNFTに関してちゃんとお金を出して理解を深めようとしているのだと思います。歴史ある空間で未来的なモノに触れるというのが非常に心を揺さぶられました。

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徳永:日本の場合はまだまだNFTの世界は身近ではないと思うのですが、フランスはどうでしたか?

草野:フランスでもNFT人口は少なくて、身近じゃない方が多いです。ただ、NFTアートに関して、日本では「どうビジネスに活かせるか」といった感覚だったんですが、フランスは「NFTアートを自分のギャラリーでも活用できないかな」と話していて、日本やアメリカよりは“ビジネス色”は少なかった印象です。

■“売り上げ世界一” NFT「新星ギャルバース」の魅力

徳永:草野さんが共同で立ち上げ、成功に至った「新星ギャルバース」とは、どんなNFTプロジェクトなのでしょうか?

草野:今までのミュージックビデオを一緒に作った大平彩華という素晴らしいアーティストがいるんですけど、彼女も私も“未来的だけどちょっと懐かしい”みたいな世界観がすごい好きで「一緒に何かやりたいね」という話はしていたんです。そんな中、当時8歳の私の息子がスタートしていたNFTアートを購入したアメリカ在住のオーストラリア人が「一緒に起業しよう」と声をかけてくれて、そこからチームが結成されて「ギャルバース」が生まれました。

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徳永:ギャルバースが世界一の売り上げを出せた要因、魅力などはどんなところにあると思いますか?

草野:たくさん要素があると思いますが、1番は当時あったNFTプロジェクトには“日本のアニメっぽい作品”は沢山あるものの、どれも日本人が関わっていなかったんです。そんな中で“日本人のアーティストが描いてる作品”が出たということですごく人気が高かった。あと、ギャルバースが出た当時、NFTアートには割と萌え系のアニメ絵が多かった中、90年代の魔法少女系だったり女性目線で可愛いと思えるような“心が女児になる絵”が無かったことだと思います。

また、ギャルバースのテクノロジー自体も凄く、ジェネラティブという自動生成されたアートを8888体作っています。このジェネラティブというのは目や鼻や口などのパーツの組み合わせを自動で作るアートなんですが、その組み合わせ方も普通のNFTアートで200パーツぐらいな所、大平彩香は2200以上のパーツを使っていて“最も複雑な NFT”と言われています。

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■「黎明期ならではのラッキー」NFTを始めるきっかけになった息子の活躍

徳永:草野さんがNFTをスタートされるきっかけに同じくNFTアーティストとして活動されている9歳の息子さんの活動があるとおっしゃっていました。どんな作品なんですか?

草野:ゾンビ化した動物たちやあらゆる物を捕獲するというコンセプトだそうです。

徳永:8歳のころに作られた作品で、当初は2000円程度で販売されていたものを有名なコレクターが購入したことで作品価値が急騰。中には数百万円の値で流通した物もあるそうですね?

草野:本当に“黎明期ならではのラッキー”を体験したなと思います。本当にもうミラクルというか笑

徳永:そもそも、お子さんから「NFTアートに出してみたい」とは中々言わないと思うのですが、これは草野さんから提案したんですか?

草野:そうですね。実は、息子が始める前にも1つだけ自分でNFTアートを出していたんです。そのときは出した作品が売れただけで終わってしまって「もっと何か面白いことできないかなぁ」と思いつつ、食卓でもNFTの話をしていました。すると長男が「メルカリでいろいろ物を売るより在庫持たなくていいね。僕もやってみたい」「ポケモンカードみたいな沢山のモンスターを書いて世界に発表したい」と言ったので、そこからスタートしました。

徳永:実際に始めた活動が成功して、そこにまつわるお金も増えたかと思います。当時、価格についてどう考えられたんですか?

草野:NFTに触れることによって我が家の「金融教育」が飛躍的に進みました。二次流通なので、実際に数百万円が入ったわけでは無いのですが、小学生にしてはすごい大金を稼いだこともあり「確定申告」を一緒にやりました。マンガで書かれた確定申告の本を夜の読み聞かせの時間に読んで「累進課税ってあるんだね~」「税金って何に使われるんだろう」というのを一緒に話しました。

■NFTが文化に… 生き残るNFTプロジェクトとは?

徳永:NFTプロジェクト自体は今でも無数にあると思います。これからのNFTプロジェクト、NFTアートはどんなものが残っていくと思いますか?

草野:(残っていく作品は)2種類あると思います。まず一点物の作品を売り続ける人は、これからも現代アートのように作品を作り続けていくと思うのですが、その時にそのアーティストが“どんな考え方をしているか”を発信して、作品を作り続けていくことが大事だと思います。作品を作っている人が活動している限りその作品の価値が上がっていくパターンですね。

もう1つは、ギャルバースのように8000体とか1万体作るタイプで、作ったもので何をするかが明確であることが必要。ギャルバースの場合もこの8888体の売上でアニメ作品を作り、漫画を作り、VTuberへのツールの提供などを順番にこなしています。単純にお金を集めるだけではなく、資金調達の先に何があるかを見せられるプロジェクトがエンターテイメントや文化として繋がっていくと考えています。

(『ABEMAヒルズ』より)

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