一度勢いがつけば、誰も止められない攻撃力の持ち主であるKONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)だが、昨期は▲77.3、個人20位と不本意な成績に終わった。初優勝をかけたファイナルシリーズでも思うような活躍はできず、チームは4位。開幕前に「卓上を焼き尽くす」と宣言していたが、まさに不完全燃焼に終わった。「もっと僕が頑張らなきゃいけなかった。負担をかけてしまった」と、エースとしての働きができなかったことは、今でも悔しい。そして立てた目標は個人での+500ポイント。大きな数字を掲げて自身にムチを入れた。
-まもなくMリーグにとっても佐々木さんにとっても5年目のシーズンが開幕します。
やっぱり昨シーズン負けた後ですから、待ち遠しいですね。それはたぶんファイナルが終わってからすぐ思ったことではありますけど。長いな、と思いながら待っていました。
-オフシーズンから開幕に向けて、少しずつ「Mリーグ仕様」に変えていくようなことはありますか。
基本的には「このルールでやらなきゃいけない」とは思わないんですよね。だからトレーニングも、たとえば一発・裏ドラがなかったりとか、3人麻雀だったりとかで調整することが多いですね。それは毎年変わらないことです。
-改めて昨シーズンの振り返りをお願いします。
もうちょっと僕が頑張らなきゃいけないなという思いですね。伊達朱里紗と滝沢和典にはだいぶ負担かけてしまったし。もうちょっと頑張っていれば、もっと楽にレギュラーシーズンも戦えたと思いますしね。
-宣言していた「卓上を焼き尽くす」ことができませんでしたね。
そこを目標にしていましたからね。どれぐらいそんな半荘があったかというと、1回も2回もなかったと思うんで。もう1回やり直したいです。去年、ミスが多かったんですよね。狭く構えてアガリを逃すとか。ラスも11回。それは多過ぎる。5回削れば最低でも100ポイント削れますよね。
-明確なポイントがありましたか。
完全に弱気ですからね、それって。修正点です。無難に行こうとしすぎたところですよね。チーム戦をやっていると、どこかで必ず出てくるんですよ。
-昨期は2人、メンバーが変わっての戦いでした。中でも伊達さんは大活躍でした。
1戦目が終わって帰って来た時に「楽しかった」と言っていましたからね。麻雀も1戦目という風には思えないぐらいしっかり打っていました。だから1年目だけどしっかり戦えるだろうなという思いで見ていましたし、成績は立派ですよね。当たり前のような成績だったんじゃないですかね。
-いい成績を続ける難しさもあると思います。
毎年、勝てるもんじゃないと思うんですよ。僕らが教えられるとしたら、負けた時の受け止め方ですよね、きっと。彼女は結構メンタル強いんで、特に心配はしてないですが。麻雀をしている時の仕草に出ますよね。相当、目が動くじゃないですか。表情がいいなと思いますよね。集中しているし。
-その他、滝沢さん、高宮まりさんの様子はどうでしたか。
滝沢は期待通りの活躍をしてくれたと思います。「僕より上に行きたい」と言っていましたからね。見事に行かれてしまいました。高宮は、まだちょっとふらふらしていたかな。ただ今期は本人も言ってましたけど、ちょっと打ち方を変えるっていう話なので、楽しみですよね。
-チームとしての練習について聞かせてください。
以前と比べると回数も増えています。5人で打つことが多くて、僕か滝沢が後ろで見るみたいなスタイルを最近取っています。それも充実してる感じがありますね。
-Mリーグに新たに3人の選手が加入してきました。
対戦回数が少ないので1回、2回は見てから対応していきたいです。最初のうちは僕ら当然、自分の打ち方をするしかないんですけど、じっくり見ていきたいですね。
-昨シーズンには、ファンの間でも話題になった大長考がありました。
やっぱり考えすぎでした。どうしてもポイントを持って帰りたかったという思いがありました。好調だったらあんまり考えなかったと思うし。2着でいいと、もしも思っていたら、もっと早く決断できたんでしょうけど。どうしてもトップを持ち帰りたかったという思いが、あの長考につながってしまいました。
-今期は本来のテンポのよさを崩さないで打つことが大事でしょうか。
同じテンポでやれば、相手にも情報を与えないで済みますから、一番大事なことだと思います。
-仕草で言うと、裏ドラをめくって点数申告するのがとても速いというものもありました。「見ていないのでは」という指摘もありました。
あれは僕の目線には入っているんですよ(笑)。ただ、相手の目線に入る前に言っているから速く感じるだけだと思います。盲牌しているわけでも何でもなくて、自分にはちゃんと入ってる。見えているんですよ。
-点数のパターンも全て頭に入っているから速いんでしょうか。
そうです。その一発と裏1枚のバリエーションとかあるじゃないですか。それで跳満になることもあるし、倍満になることもあるし。逆に、3枚乗らなければ倍満にならないとか。全部一応、インプットしてあるんです。
-最後に今期の目標をお願いします。
やっぱり数字をもっと明確に、+500ポイントにまた戻そうと思います。+500が一番分かりやすい。それはチームの力になると思うし。みんなのびのび打てるような状況になると思います。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合(全188試合)。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各20試合・全30試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(16試合)に進出し、優勝を争う。優勝賞金5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)