高齢化が進み“大相続時代”ともいわれている日本。そこで関心が高まっているのが相続の新たな選択肢「遺贈寄付」だ。遺贈寄付についてニュース番組『ABEMAヒルズ』では、専門家に話を聞いた。
アメリカと比較して寄付文化があまり根づいていないといわれる日本では遺贈寄付は聞きなじみのない言葉。しかし、65歳以上の高齢者が約3割とまさに“大相続時代”に突入した。
その中には遺産相続人がいなかったり、遺産を有意義に使ってほしいという思いの人も多く、いま注目されている。その遺贈寄付について、全国レガシーギフト協会の齋藤弘道理事に話を聞いた。
「自分で亡くなった時に残った財産から寄付をするというのを遺贈寄付と呼んでいます。特に高齢の方が寄付をしようと思っても、普通の方は年金収入くらいで、なかなか大きな金額の寄付はできないと思うんですけど、最後に残っちゃうと思うんですよね。全部綺麗に使い切るわけじゃないので。その残った財産の中から寄付をするという仕組みですので、寄付しようと思ってもいま寄付するわけではないので、負担としてはそんなに無いのかなと思います」
そんな遺贈寄付に興味を持つ人は、40代以上で2割以上と関心が高まっている。しかし、遺産の寄付ともなると、面倒な手続きが必要そうだがどのようにすればいいのか。全国レガシーギフト協会共同代表の樽本哲弁護士に聞いた。
「考えが決まったら遺言書を作る、具体的な準備に入っていくということですね。そのときには私たちのような専門家の助けを借りてもいいですし、今は遺言の本とかたくさんあるので、そういうの見ながら作っていただいてもいいと思います。遺言の中に『自分はこの財産をどの団体に遺贈します』というのを一言加えていただくだけで遺贈 ・遺言は出来ます」
遺言書の中に寄付先や金額を記載するだけで行える遺贈寄付。日本の年間相続額は約40兆から60兆円ともいわれていて国の税収にも匹敵するほど。
世界的に見ても高齢化が進む国などで、遺贈寄付の役割が改めて見直され、その選択をする人は徐々に増えていると言う。実際に遺贈寄付を準備してる方々は次のように話している。
「残ったお金をどうしようかと。国に行くのは納得いかなかったので、少しでも世の中のためになる(ように)。皆さん、遺贈される方は同じ考えの方が多いと思います。手続きは専門家の方々のご助言とか、サポートしていただいたので割とスムーズにいったと思います」(中根雅子さん)
「兄弟に残すとか人それぞれパターンがあると思うけど、その中の一部でも遺贈という形をとっていただいて、世の中に、地球の為に生きとし生けるもののために、役立っていただけるものを持っていただけたら嬉しいなという気持ちはあります」(黒瀬匡子さん)
遺贈寄付を行った人を多く見てきた齋藤さんも遺言を書き終え、ほっとした表情をする人が多いと語る。
「遺言を書かれる方全般ですけど、一区切りついたというか、遺言書を書かれたときにすごくスッキリした表情になられる方が多くて、さらには遺贈寄付の場合は、自分の思いをきちんと乗せられたというのが,さらにそこに加わると思うので、皆さんやって良かったとおっしゃっていただけますね」
(『ABEMAヒルズ』より)
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