将棋日本シリーズ JTプロ公式戦の2回戦第4局が9月23日、北海道札幌市の札幌コンベンションセンター 大ホールで行われ、藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が67手で羽生善治九段(51)に勝利した。この結果で、藤井竜王はベスト4に進出。初優勝に向けて好発進を遂げた。次戦、準決勝では稲葉陽八段(34)との対戦が予定されている。
藤井竜王の先手番で始まった本局は、横歩取りの出だしとなった。先手はバランス型、後手は金銀3枚で囲うと、一気に攻め合いに。両者指し手を止めず、飛車を取り合う激しい展開となった。羽生九段は駒損ながら慎重にと金攻めを目指すと、先手は考慮時間3回を投じて飛車を攻撃に加えた。
スピード勝負となった終盤戦で抜け出したのは藤井竜王。飛車角を連携させて後手陣に迫り、優位に立った。羽生九段も竜とと金で先手玉に迫るが、あと一歩が遠い。藤井竜王はそのままリードを広げ、快勝を飾った。
終局後、勝利した藤井竜王は「かなり激しい展開で、短い持ち時間の中で判断が付かない局面が多かった。攻め合いにいって上手く行ったかわからなかったが、踏み込んでいって勝ちに結びつけることができたのかなと思う」、敗れた羽生九段は「序盤から激しい将棋になったが、どこかで手を戻すことを考えなければいけなかったと思う」と話した。
この結果、今期のJTプロ公式戦ベスト4のメンバーが決定。藤井竜王、永瀬拓矢王座(30)、稲葉陽八段(34)、斎藤慎太郎八段(29)がそれぞれ初優勝をかけて戦う。次戦は10月15日、永瀬王座と斎藤八段の準決勝第1局が予定されている。
JTプロ公式戦は前年覇者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者から12人が選出されるトップ棋士たちによるトーナメント戦。持ち時間は各10分、切れたら1手30秒未満、各5分の考慮時間。
(ABEMA/将棋チャンネルより)