渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)は、チームの4人で過ごすMリーグのシーズンについて「バンドメンバーの全国ツアー」という表現をした。苦楽を共にし、過ごす時間も長い。それぞれの役割を持ち、その全てがうまくハマった時には、まさにバンドの楽曲のようにファンを感動、興奮させる。リーダー多井隆晴(RMU)からの信頼も厚い白鳥が、5年目のシーズンでより力強く羽ばたく。
-今までのシーズン前と比べて、心境に変化はありますか。
いい意味で落ち着いていますね。「始まるんだな」というワクワク感は1年目と変わらないですが、これまでは恐怖が混じっていた気がするんですけど、今年はそれがなくて楽になってきました。
-それは昨シーズンの結果から来るものですか、オフの過ごし方からですか。
昨シーズンの結果ですね。優勝できなかったんですが、一番満足いく麻雀が打てたので、次につながっていくはずです。チームとしても一番まとまっていて、全員がちゃんと他の選手に気を使えるチームとして、1段階か2段階上に行けたんじゃないかと思っています。麻雀は自分の行く先が見えたというか、このまま精度を上げていきたいです。抜け(ミス)が減ったし、読みが合ってきた。基本的な部分だけじゃなくて自分の読みに心中して麻雀が打てるようになってきました。
-多井隆晴さんから教わっていることは、うまく取り込めていますか。
自分の長所は、1回全部を聞けることだと思っています。身近で結果を出してくれているのも嬉しいし、信頼があるのもわかっています。多井さんはすべて本当のことを言うわけではないんですよね。「これもあるよね」というような話し方をしていて、こっちが自分で考えることを提示してくれる。自分の中で考えることが一番大事。人から教わったことを「そうなんですね」と聞くだけじゃなく、常に思考していることですね。
-シーズン中は、メンバーたちとどのような思いで過ごしているんですか。
バンドメンバーと全国ツアーに行ってるような感じですかね(笑)。チームメイトのことは知っていたいし、好きでいたい。2年目とかは自分と合わないところは「まあいいか」という感じで接して行こうと思ったけど、それがうまくできなかったです。今はそれができていて、僕もそうですけどいいところも悪いところもみんなあって、それも含めて相手を好きになれて、それが強さにもつながっていました。誰が欠けても嫌です。ファイナルにずっと残ってさえいれば、一緒のチームでいられるじゃないですか。だから必死になってやります。
-今期、新しい選手が3人入ってきて、年齢も近いです。それぞれの印象や試合で当たった時はこうしようという考えはありますか。
仲林圭に関しては、若い時から一緒に打って勉強会をしていたこともあって、3人の中では一番よく知っています。オーソドックスなタイプ。3人の中で一番ポイントは持ち帰りそうな選手だと思います。Mリーグという赤アリの打ち方にもすごく向いていると思います。堀慎吾さんが入ってきた時と感じは近いですね。「まあ入ってくるよな」という感じです。楽しみですね。
鈴木優さんに関しては、麻雀が強くて、人柄も非の打ち所がなくて、しかもイケメンだから、一番負けたくないかもしれない(笑)。渋川難波さんはずっと解説をやっていたので、本人は結構プレッシャーだと思うんですよ。解説をやって来て、いろいろ言ってきて、それなのに自分はこういう麻雀しか打てないのかとか、結果出せないのかっていうプレッシャーがあると思います。しかも優勝チームに入って、沢崎誠さんが抜けたというのもプレッシャーだと思うんですよね。そこでレギュラーシーズン敗退とかなったら「替わったせいで負けた」と言われるかもしれない。そのプレッシャーに負けないといいですね。
サクラナイツの中では、沢崎さんを僕は一番リスペクトしていたんですよね。というか“沢崎さんのみ”尊敬していたんです(笑)。内川さんはイケメンだし、堀さんもちょっと嫌だし、まあおかぴも…(笑)。沢崎さんがいたことで僕はちょっとそこで気持ちに我慢ができていたんですが、人気のある渋川が入って、レギュラーで落ちないかなと思っています(笑)。
Mリーグは最高の舞台で選手も最高だと言われいますが、そこにちょっと入ってきた彼らに勝たれるのがすごく嫌なんです。リーグの洗礼を受けてほしいと思います。
-インタビューで松ヶ瀬隆弥さんも同じようなことを言っていました。
僕も去年は松ヶ瀬さんに対してそういう風に思っていました。
-最後に個人の目標などがあればお願いします。
機会があればMVPというのはやはり狙いたいです。でもMリーグでMVPを取って、その次の年に▲200負けるとかそういうのではなくて、一応3年連続3ケタプラスしているので、4年目も最低+100は行けるようにしたいです。チームの目標としては優勝したいんですけど、ファイナルまで行って、ABEMASのファンたちに最後まで応援してもらえるように頑張ります。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム94試合(全188試合)。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各20試合・全30試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(16試合)に進出し、優勝を争う。優勝賞金5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)